レスラーのレビュー・感想・評価
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格好良く、しょうもない!!
ミッキー・ロークの特徴的な外見とリアルなストーリーに引き込まれました。男の格好良い所と、しょうもない所の両方を描いていると思いますが、しょうもない所の方が多くても何か憎めません。同じ監督の「ブラック・スワン」の男版と言うと乱暴な言い方かも知れませんが、男主人公の生き様が詰まっていました。ダンサーに入れ込むのも分かりますし、惣菜のバイトも楽しそうにやっていて微笑ましかったです。
小物使いと心理描写が上手い
ストーリーとしてはありきたりというか、驚くようシーンは出てきません。
ただ、皆さんが言ってる通りミッキー・ロークの演技は見応え十分で痛々し過ぎる位ですし、デビュー作が『π』ということで勝手にイロモノのイメージがあったダーレン・アロノフスキーがこれだけ丁寧に登場人物の心理描写をしていて驚きました。
とても感情移入できる作品に仕上がってます。
あとは、主人公とストリッパーのキャシディとの間で、80年代が最高でNirvanaが出てきて暗くなった90年代は最悪だったという主旨の会話がなされるのですが、過去にすがって生きる主人公と現代を生きる娘との間のジェネレーションギャップを各人の家に貼ってあるポスターで象徴的に表現していたのが印象的でした。
主人公の家にはAC/DCのポスターが、娘の家にはVampire Weekend (本作品が撮影された頃だと割とデビューしたて) のポスターが、それぞれ貼られてました。
(関係ありませんが、昔観た映画で最後気になる女の子をデートで誘う時にVampire Weekendのライヴに誘うってのがあって、日本での感覚以上にアメリカではブルックリン勃興の象徴的バンドなんだろうなと思いました。)
あとは、貧困の象徴であるトレーラーハウス、レスラーの代償の補聴器、仲間のレスラーが履くボロボロのブーツ等、観客の気持ちを暗くするための小道具がたくさん出てきて、ハンドカメラで撮られたと思しき割とブレる映像を混ぜながら割とリアルに描写されておりました。
スーパーな映画ではないと思いますが、見る価値は十二分にあると思います。
男の背中を観る映画
自分自身も器用な方ではないので重ねてしまいかなりまいった。
人間誰だって思っていても上手くやれない時もあるし、素直になれない時もある。世間の中の軋轢や人との関係性を背負って生きていかなきゃならないけど、自分が決めた舞台に上がる時、背中を押してくれるのはそういうもの達なんだよなぁ、、とか。
ラストシーンには胸が締め付けられた。
リアルすぎてつらい
おそらく、リアルすぎるほどリアルであろう、バックステージでのやりとりなど、プロレスファンであってもなくても身震いするような出来。
往年のスーパースターの末路はあまりにも悲惨で、そして当の本人もろくでなし過ぎ。そりゃ、孤独にもなるわっていう。
ラストシーンの大技で見栄を切るシーンは、本来ならかっこよく決めるはずの見せ場だが、あえてのロングも使用して滑稽というか、悲哀を感じさせるシーンになっている。そこからの暗転。スプリングスティーンの書き下ろしの主題歌はすごいを通り越して卑怯だ。
ミッキーロークから漂う哀愁
全盛期をすぎ、必要とされなくなっても、
同じ道を歩み続けることしかできない元スターレスラーの生き様を描く。
なんとなく理解はできるけど、イマイチ共感できなかった。
この主人公、いい年こいて全く学ばない。
周りの人が不憫だし落ちるべくして落ちたという印象。
ミッキーロークの演技は良かった。
主人公とかぶる部分もあるけど、決定的に違うのは、今も一線級だということ。
どんな職業でもある"過去の栄光と、過酷な現状"。罵倒されながらも町...
どんな職業でもある"過去の栄光と、過酷な現状"。罵倒されながらも町のスーパーで細々と働き、週末はマイナー団体で老体を酷使してリングで戦い続ける日々。密かな想いを寄せるストリップバーの踊り子だけが唯一の癒し、という侘しい日常。小さな体育館で行われたファンイベントでは、自分と同じ"昔のレスラー"たちが集い、疎らに訪れるファンにたった8ドルで記念撮影とサインをする。
哀しすぎる毎日を延々と観させられるとにかく暗い作品ではございますが、第66回ゴールデングローブ賞で主演男優賞を獲得し、第81回アカデミー賞にノミネートされたミッキーの濃厚な芝居、それを観れるだけでも十分価値がある一作です。
時折使われる主人公を背中から追う何気ないシーンの数々は、黄金時代が過ぎた男の哀愁漂う何ともいえない"背中"を効果的に見せているようで、この監督なかなか巧いな…とか思わされた。
それに答えるようにミッキーは、ただ黙って"背中"で語ってみせる。まさに二十年前が人気絶頂期だったミッキーだからこそ出来る業だと思える。
ラストで見せたランディのあの表情と、エンドロールで流れるブルース・スプリングスティーンの曲が、今でも目と耳に焼き付いて離れない。
役者ミッキー・ロークのすべてがここに
ミッキー・ロークの演技なしでは成立し得ない映画。あの二枚目と呼ばれた時代があったからこその「レスラー」だと思う。悲哀とか凋落といったリアリティーをミッキー・ロークそのものに感じながら見入ってしまう。「ナインハーフ」もボクシングも彼にとって必要不可欠の要素だったのかな、と偉そうにも思ってしまった。
プロレスファンです
良かった。
ドキュメンタリー風の映像も良かった。
ミッキーロークがこんなにもいいとは。
WWFファンだった自分としては、あの頃輝いてたみんなはどうなったのかなーって気になりました。日本で言えば、テリーゴディやスティーブウィリアムスも早死にしてるし、三沢さんも亡くなったし、ビガロも鶴田も・・・悲しい気持ちになりました。
プロレスというショーの本質と向き合っているところが好感持てました。
哀しい、そして素晴らしい。
見る前は、派手なプロレスアクション映画と思っていました。
見てみると・・・
か・・哀しい。そして、素晴らしい!
老いたレスラーの哀しき日常・・・ この趣き好きだわ~♪
スーパーの肉売りシーン、ストリッパーとのやりとり、もうキュンキュンしちゃいますね!
ラストシーン、もう少し見たかったような、、あれで良かったような、、、。
からのエンドロール、流れた曲良かったですね~
「レスラー」、いい映画でした☆
この映画を観て、なぜか松本人志の『大日本人』が好きになった。
良い映画です。
「リングという職場、プロレスラーという労働者」をみられる前半、
ランディという生き様の役柄と、ミッキー・ロークという役者の生き様のオーバーラップがみられる後半。
選手の葛藤や成長、因縁という背景を知った上で観れば、プロレスの試合が単なる大男のドツキ合いではなくなるように、
ミッキー・ロークの役者人生という背景を知った上で観れば、この『レスラー』という映画が単なるフィクションドラマではなくなる奥行きを持った作品でした。
自分にとっての“リング”とは何なのか、考えながら観るのもいいかもしれませんね。
ただこの映画を観終わった後、なぜか松本人志の『大日本人』を好きになりました。意外と似ている作品のような気がしますね。
男の悲哀と誇り
総合:80点
ストーリー: 75
キャスト: 85
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 75
それほど優れた物語でもなかったのだが、登場人物の演技と演出が真に迫っていて良い映画だった。かつての栄光の日々と、何もかもうまくいかずそれでも誇りだけは捨てきれない現在の状況。自ら蒔いた種で家族も失い、彼にとっては死ぬ以上に大事なことは、最早唯一リングに上がることだろう。その思いが実にうまく描かれていた。
ミッキー・ロークって売れていて調子に乗っていた絶頂期よりも、辛酸を舐めてから深みが出たようにも思える。「レイン・メーカー」なんかもそうだった。本人の人生と役柄がかぶる落ちぶれた役だが、もちろんそれを意識した上での出演だろう。歳のわりに体も素晴らしく鍛えられていたし、素晴らしい体当たりの演技だった。ストリップ・バーの女性と娘の演技も良かった。
これこそ映画です。
ミッキー・ロークはこの映画で失ったものを取り返しました。あの伝説の猫パンチ事件を笑う奴は、もういません。
何でも当初はニコラス・ケイジを主演にする気だったそうですが、そうしなくて正解でしたねぇ。やっぱりその人の人生は役柄に反映します。歳を取ったレスラーの顛末、いや、安住の地と言いましょうか、どんなに身体がボロボロになろうと結局はリングが自分にとっての終着駅だったことから来る哀愁。そこへ至るまでの繊細で深いドラマ。ロークはこれを見事に表現し切りました。
これぞ映画!!!
レスラーよ!戦え!
本編を観る前は昨年のアカデミー賞・主演男優賞は「フロスト×ニクソン」のフランク ランジェラに行くべきだったと思いました。しかし、今作の本編終了後完全に考えが変わりました。もう何と言うか彼が本編で演じているプロレスラーの魂が彼にそのまま乗り移ったようでした。この役はきっと彼のような俳優人生を送ってきた人でないと演じる事が出来ない。そんな役だったのではないかと思います。
主人公は引退直前の中年レスラー・ランディ。
彼はある小さなプロレス団体に所属していたのですが、ある事件がきっかけで別な職を探さなければならない状況へと追い込まれてしまいます。同時に本編では彼と一人の女性ストリッパーとの恋愛模様や離れて暮らす娘との関係にも話にも触れています。
注目はミッキー ロークを初めとする俳優陣の演技とリアルな作品の世界観そして、ストーリー展開です。ミッキー ロークの演技については冒頭で述べましたのであまり言いませんが、とにかく凄いです。体作りから台詞回しまで完璧でした。特に娘に自分の思いを伝えるシーンがあるのですがあれには本当グッときました。もちろん脚本がいいと言われればそれまでですが、ミッキー ロークが言うからこそあれだけの説得力があるのではないでしょうか?正直、最初はあまりランディというキャラクターは好きではありませんでしたが、最後の方はもういつの間にか応援していました。それから、ストリッパー役のメリッサ トメイの限界を超えた演技も見所で、なぜ彼女がストリッパーという職業を選ばなければいけなかったのかがポイントです。あっ、もちろん彼女が実際に脱ぐシーンもあります。しかもそれが妙にリアルで余程研究してあそこまでの完成度に仕上げたんだと思います。本当に驚きました。そして、ランディの娘役のエヴァン レイチェル ウッドは「サーティーン」の時のキャラとあまり変わっていませんが、なかなか良い味を出していました。
それから、リアルな作品の世界観はお見事でした。さすが、「レクイエム フォー ドリーム」を作った監督だけあって彼のリアリティーへのこだわりを感じました。プロレスの試合運びはもちろん、誰もが知りたいような裏幕もしっかりと描かれているのが好きでした。インディーズ系作品の匂いがプンプンするような雰囲気の中であれだけのリアル感はさすがです。そして、ストーリー展開もお見事!特に娘との関係が意外な結末を迎える辺りが好きでした。
しかし、残念ながらこの作品には1つだけ大きな弱点がありました。詳しく言うとネタバレになるのであまり言いませんが、単純に言うと“そんなに簡単に復帰できるの?”という事です。それ以上は言えません。
しかし、多くの男性陣には共感できる物語になっていると思います。
是非、観てみてください。
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