劇場公開日 2009年11月14日

「シリーズ化しても面白いかも?」なくもんか 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5シリーズ化しても面白いかも?

2009年12月18日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

見所、安部サダヲ。
彼が動いたり喋ったりするだけでもうメチャクチャ笑える。
本を読みながらウグォゴォォォ!と地響きのような泣き声を上げるシーン、最高。ラスト近くの漫才シーンも、普通の芸人より堂に入っているのがスゴい。
“究極のお人好し”という役柄にもピタリとはまっていて、ただ笑わせるだけでなく、涙も誘う懐の深さ。
「この映画の8割は安部サダヲで出来ている」と言っても差し支えないほどの当たり役だ。
個性溢れる商店街の皆様や、やたらカッコいい竹内結子も笑わせてくれる。たいていの映画で邪魔になる(失礼)子役の演技も、なかなか達者で気にならない。特に娘役の子は巧かった。

とまぁ役者に救われてはいるけど、物語の展開はまとまりに欠ける。
何よりちょっと長すぎるかなぁ。最後の沖縄に行く展開は映画の締めとして用意したんだろうが、沖縄に行く前にだいたいの問題はカタがついてたし、最初のシーンとの収まりも悪い。
わざわざ話を広げず、あの商店街で決着させれば良かったのに。

とはいえ、今まで観た水田伸生監督作品の中では一番楽しめた。
やっぱりキャラクターが魅力的な映画はいいですね。
笑える人情モノとしてシリーズ化してもいいかも。

浮遊きびなご