「ハッピーに笑えてチョッピリ沁みました」なくもんか mitohisaさんの映画レビュー(感想・評価)
ハッピーに笑えてチョッピリ沁みました
幼い頃、親に捨てられ、弟とも離れ離れになったまま、他人の中で育った主人公の山ちゃん。
父に置き去りにされたハムカツ屋の人々が大切にしてくれるのを気遣い、家では泣かないと決め、辛いことが有ると神社の片隅で号泣。
いい人として生きようと(?)、商店街の人々のチョットしたお困り事を次々と引き受け、「山ちゃん悪いね?」と言われると「好きでやってますからぁ~」と引き受けが過ぎて、自分の事が出来なくなり、妻に呆れられる日々。
そんな彼が、どうやって心のバランスを保っているのかが判った時、爆笑しながらも、ちょっと悲しかったり、少し安心したり。
描き様によっては、暗くてつまらない話になりそうな物語を、ハッピーに笑えて、チョッピリ沁みる作品にしている、宮藤官九郎さんの脚本と、阿部サダヲさんの演技、そしてそこにテンポの良さを加えた水田監督、素晴らしいです。
山ちゃんには、前作『舞妓haaan!!!』のキミチャン程、破天荒はないけれど、こんな感じのクドカン作品もステキと思いました。
すき焼きのシーン、沁みました。
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