劇場公開日 2009年8月29日

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「“西原ワールド”全開!」女の子ものがたり mori2さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0“西原ワールド”全開!

2009年8月17日
鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

幸せ

「毎日かあさん」アニメ化!「いけちゃんとぼく」映画化!2009年は、“サイバライヤー”!ってことで、西原理恵子センセの自叙伝的作品の映画化。もおね、“西原ワールド”全開です。

 タイトルから受ける印象は、とても可愛らしいと思われるのですが、なかなかコレがどうして、“貧乏”“借金”“蒸発”“DV”etc,etc…と、不幸の吹き溜まりのようなキーワードのオンパレード。この映画、まさしく西原さんの漫画を、テイストそのまんま実写化しちゃってます。西原さんの漫画と言えば、『ほのぼのタッチの絵で、とてつもなく辛辣且つドギツイ話を描き、でもラストにはじんわり、ウルウルさせる…』っていうイメージを、吾輩は持っておりますが、この映画は本当にそのまんま!いやあ、すんごい“実写版”です。

 『女の子の「スタンド・バイ・ミー」を目指した』と、プロデューサー女史は語っておられますが、正にそのイメージどおりの映画に仕上がっていると思います。“大人になりきれない大人の女”が、それまで避けてきた自らの過去に、或る日正面から向き合い、そこにかつて確かに存在した“友だち”との掛けがえのない日々を、もう一度自分の記憶の中で辿り、そしてそれをステップに人生の新しい1歩を踏み出す…。吾輩“男の子”でございますが、ラストには何かもう訳もわからず、ただ号泣してしまいそうになりました。“あの頃の、友だちに会いに行く旅”これは性別を問わず、誰の心にも必ず“グッ”と去来する物があると思います。この映画は、そんなところをど真ん中の直球で突いてきます。イイ意味で、堪りません…(>_<)。

 世代別に、幼少のころ(なつみ:森迫 永依、きいちゃん:三吉 彩花、みさちゃん:佐藤 初)→高校生時代(なつみ:大後寿々花、きいちゃん:波瑠、みさちゃん:高山 侑子)を演じた“女の子”たちが、みんな一生懸命で、観ていてとても好感が持てました。ホント、みんなとても頑張っています。そしてそれらを受けての深津 絵里の演技が、この映画に適度な深みと、何とも言えない優しさをもたらしています(永依ちゃん→寿々花ちゃん→深津 絵里…チョット顔的には“?”なんですが(^^;)。

 西原さん自身も、“うわさ好きの近所の主婦”という重要な(?)役割で、出演されています(決して“カメオ”ではございません!)。そして、作中には西原さん描き下ろしの壁画も登場します。この辺りもお見逃しなく!

mori2