「おとぎの怪物の幸せ。」シュレック フォーエバー ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
おとぎの怪物の幸せ。
今シリーズも4作目にして最終章。
第1作から観てきた自分としては、あ、もう終わるんだ?
みたいな感じで^^;確かにもうやることはやっちゃった感が
強いもんね。いよいよマンネリ化してきたシリーズに喝☆
を入れるべく終わり方もマンネリに悩ませるところが巧い。
幸せを手に入れたシュレックが、どうも最近窮屈な毎日に
やや嫌気がさしたのを見計らい、罠を仕掛けられる物語。
なんというか…世のお父さん方に向けて描かれたような^^;
すぐそこにある幸せに気がついてね♪的なお話である。
シュレックに罠を仕掛ける悪徳キャラの声に、劇団ひとり。
どうもこのヒトあまり得意じゃないんだけど^^;しっかり
ランプルスティルスキンに為りきって、最後まで巧かった。
濱ちゃんや藤原紀香はすでにベテランで違和感まるでなし。
口の動きにピッタリと台詞が合うのが(関西弁なのに)妙に
心地良い。第1作目を観た時、なんなんだ?このキャラは?
と思うほど夢のない(爆)特異なキャラを主役に据えた試みに
驚いたものだが(展開にも)、物語は王道の王道で、さすが
ネズミ王国出身者がトップにいるだけあるな~と感心した。
ピクサーと比べてかなりおふざけモードが満載なんだけど、
押さえるべきところの巧さと、話の運び具合やテンポでは
ドリームワークスの方が纏まりがある。と私は思う。
さて、シュレック親父…^^;
有名になることと引き換えに自由を失うというのは確かに、
ゲーノージンなら誰もが味わっていることなんでしょうねぇ。
でも基本は、自分がそれでもいいと(そうしたいと)思って
選んだ道なのだから多少の窮屈は仕方がない、それよりも
今ある幸せを大切にしましょうよ…というのが奥方である
フィオナの言い分。ずっと独りで搭に閉じ込められていた、
彼女ならではの意見なワケですね。どうも人間(怪物でも^^;)
その幸せに慣れてしまい、それが当たり前になってしまうと
世間や周囲への感謝を忘れてしまいがち。特に子供が小さい
うちはその世話に振り回されて、自由なんてどこにもないし。
分かるなぁ~xxと思いながら、でも自分はとても大切なもの
を手に入れたんじゃないか!と思い直すこともあるんだよね。
そんな行ったり来たりが人生で、家族とか親子とかを味わい、
勉強できる貴重な期間だったりするワケで。。なぜだか、
観ているうちに私も過去を思い出し、ほのぼのしてしまった。
でもって、さらに(爆)
自分が好きになる人っていうのは、ぜんぜん知らない世界で
出逢ったとしても、また好きになったりするもんなんだなーと
全くもって王道の世界を描いているだけなのに、あ~やっぱり
いいな、と思わせてくれる。
本来のおとぎの国の姿というのは、自分が王子様やお姫様に
なりきって(爆)夢見れちゃうところがいいんだから、それが
例えリアルな姿であったとしても、本質は変えないのが正解。
そこを作り手が把握しているかどうかで、物語はおとぎ話に
なり得るかどうかが決まる気がしてならないのだわ、私には。
だからこんな緑色の怪物に愛や夢を語らせ、家族を持たせ、
見事におとぎの世界へと仕上げた功績は、大きいと思うのだ。
(今回も2Dで観たんだけど^^;最後は3Dで観れば良かったかしら)