劇場公開日 2009年8月8日

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「全く難しくなく、見やすいので是非」縞模様のパジャマの少年 前立腺肥大症さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0全く難しくなく、見やすいので是非

2014年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

知的

自分はメッセージ性がどうとかラストがどうとか、あらすじやら背景について語るつもりは全く無く
「素晴らしい作品でした。」これがまず伝えたいことで。
ホロコーストを扱った作品は無数にあれど、これほど明解に繊細に作られた物は中々お目にかかれないと思う。

100分程度の映画に詰めるべき内容と量がきっちり詰まっている。多すぎず少なすぎず、全てのシーンが過不足なく丁度収まってるのがすごく気持ちいい。
原作が児童文学に属するので、原作者ができるだけ子供に分かるようにと読者の目線に寄り添って書いている事と、ホロコーストという成熟しきった題材がうまくかみ合っているんだと思う。

登場人物の性格の配置とそれを観客に伝えるためのエピソード作りが実に見事で、またそこからエンディングまでのシーンの抽出、がいかに優れていたかと映画を見終えた後、舌鼓が止まなかった

例えば少年ブルーノが友達と飛行機の真似をしながら下校する冒頭シーンひとつで、少年の幼さ、純粋さが伝わるし、友達と遊ぶ事がいかに好きか、そしてもしかすると軍人に対して憧れがあるのではないかと、映画のストーリー上でブルーノが見せた性格の全てが一見して感じ取れる

引越しパーティでのブルーノの祖母が軍人であるブルーノの父に嫌味を言うシーンからは、祖母の軍人に対する考えと父親の少年時代から現在までの変遷や彼の本質を予感させる。

全てのシーンが起こるべくして起こって、あるべくしてあった。
暗いストーリーではあるものの、ジグソーパズルのピースが繋がっていくような気持ち良さが常にあった。

また役者陣の演技についても全く文句のつけ様が無い。

80点でも無く120点でも無く、100点中100点の作品とはまさにこうゆう物だと思う。

前立腺肥大症