「あの旋律に尽きる」シェルブールの雨傘 ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
あの旋律に尽きる
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有名な旋律は何度も耳にしていたのに映画は初。若い恋人たちが戦争で引き裂かれている間にそれぞれの道を選んでいく。全編、歌うような台詞で進むミュージカル調で、カトリーヌ・ドヌーヴは可憐で美しいし、港町シェルブール、ドヌーブの雨傘店も色鮮やかで素敵。全編あの旋律に覆われていてクライマックスでは大仰なまでに響く。そこで、人生は悲喜劇だなとしみじみ感じる。人生ではあんなバックミュージック流れないけどね。なんてことないありふれたドラマなのに、旋律、キャスト、シェルブールという舞台設定によって古典的名作として古びてない。
キネマ旬報のあらすじでは「今はギイもジェヌビエーブもそれぞれ幸福なのだ」とあったけどそうだろうか。ジュヌビエーブ は、幸せだと語るギイにわたしもと言わなかった。彼女が愛したのはギイだけなんじゃないか。夫に感謝しており裕福に暮らしていても、彼女には空虚さがみえた気がした。幸せかと問われれば彼女も幸せだと答えただろうけど、あの頃のあの幸福感は二度と味わえないのだと思う。
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