「ドヌーヴの美しさとエレン・ファルナーの質素な質素な佇まいが印象的、拍子抜けするくらいシンプルなのにずっしり重い余韻を残す残す名作中の名作」シェルブールの雨傘 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
ドヌーヴの美しさとエレン・ファルナーの質素な質素な佇まいが印象的、拍子抜けするくらいシンプルなのにずっしり重い余韻を残す残す名作中の名作
ほぼ60年前の作品なので物語は拍子抜けするくらいにシンプル。ミュージカルですが踊りがほとんどないので登場人物がセリフ代わりに歌う世界観に慣れるのにちょっと時間がかかりましたが、当時20歳そこそこのカトリーヌ・ドヌーヴと主題曲の美しさがとにかく圧倒的。同じような物語を他の国で演出するともっとドラマティックかつ耽美的になると思いますが、右も左も判らないくらいに若い二人がアルジェリア戦争に引き裂かれ人生を狂わされる様をどちらにも寄り添うことなく突き放すように見つめる残酷さが終幕後に長い余韻を残します。
個人的にはジュヌヴィエーヴの恋人ギイの幼馴染で、甲斐甲斐しくギイの伯母エリーゼの世話をするマドレーヌを演じるエレン・ファルナーの質素な佇まいが印象的。挙式を終えたジュヌヴィエーヴを遠くから見送る姿に凛とした強かさを見ました。
あと冒頭のシェルブールの石畳を行き交う人々を真上から捉えたマスゲームのようなオープニングカットにもしてやられました。
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