「字幕で観たい作品。2」ボルト ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
字幕で観たい作品。2
思い出すのは「トゥルーマン・ショー」で騙され続けた男。
今作はそれにならって「トゥルー犬・ショー」と化している。
幼いころからスタジオ内で育ち、撮影現場が真実なんだと
思い込んでいる犬のボルト。自分の飼い主役のペニーを
守るためのスーパードッグとして改造された(はずの)彼は、
自らのパワーを信じてペニーを守り続けてきたのだが…。
ある日偶然スタジオ外へ出てしまったボルトは、遠くへ
運ばれ迷子になり、自分のパワーの真実を知ることになる。
冒頭のいかにも「3Dのために作りましたっ!byラセター」
なシーンはとても迫力があったが私は2Dでも楽しめた^^;
話の作りはそれほど斬新!ではないものの、古い映画を
モチーフに(ピクサーはけっこうコレ多いですけどね)しつつ
相棒たちとの珍道中をテンポ良く描いている。
主人公(犬)ボルトを演じているのがアチラではJ・トラボルタ。
も~これ、ホント!字幕で観たかったのに何処もやってない。
佐々木蔵之介、悪くなかったですけどね。上手かったけど^^;
やっぱりこれは~字幕版で観てみたかっただけに残念…。
ペニーの自分への愛情を信じ、彼女に逢いに行こうとする
ボルトを助ける、黒猫ミトンズ(江角マキコ)と、ハムスター
ライノ(天野ひろゆき)のキャラもよく描かれており嫌味がない。
ボルトを中心に、動物の帰巣本能を巧みに見せてくれるが、
それにしても今作で、ますます人間の身勝手さを思い知る。
以前に観た「幼獣マメシバ」でも同じことが語られていたが、
今作では人間に捨てられたミトンズが、切々とボルトに語る。
…ずっと一緒だと信じていたのに、あっさり捨てられた。
人間なんて、信じちゃダメ。ここで楽しく暮らそうよ。
人間に捨てられたペットの末路をこれでもかと教えてくれる。
…君の言うことは分かる。でもね、ミトンズ。
ペニーは違うんだ。きっと僕のことを待ってるはずだから。
これはボルトだけでなく、全てのペットが信じていることで、
だから彼らは懸命に飼い主を信じて寄り添っているのだ。
もしも自分が捨て子だったら、必死に泣いて親を探すのに、
それと同じことを、どうしてペットにはやってのけるのか…。
そんなこんなで(物語とは別の立場で泣きそうになったが)
さすがのボルトは飼い主のもとへと帰り着く!ところが…。
後半の盛り上げ方も(新鮮ではないが)ジーンとくるはずだ。
最後の最後で、あのパワーを(!)使ったところには大感動。
(ディズニーもボルトの如く、事実を受け入れて復活ですねぇ)