リリィ、はちみつ色の秘密のレビュー・感想・評価
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深い
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母親に捨てられた主人公が、使用人の黒人女性と家出する。
父親を含め、周囲の人間の黒人差別を見るのが嫌だったのだった。
そして別の黒人女性が経営するはちみつ工場に住み込みで働く。
そこでも改めて黒人差別を目にするが、黒人との人間関係は良好。
経営者はずっと黙っていたが、実は主人公の母の乳母だった。
やがて主人公の父が連れ戻しに来た時も、本人の意志を尊重、残らせる。
そして母は自分を捨てたのでなく、ずっと後悔していたことも知った。
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徘徊型の映画やし、ピンと来にくい人種差別を扱った映画。
それでもそれなりに面白かった。
主人公の可愛らしい女の子は安達祐実に似ていた。
でも女性経営者は小錦に似ていた(場)
Black Madonna Honey
ミツバチが引き寄せたとしか思えない偶然。
Boatwright三姉妹は、Lilyにとって正に(黒人の)聖母達です。
人種差別により迫害される黒人。
法律を無視して差別を続ける白人。
そんな白人の子供を育てて生計を立てる黒人の乳母。
母親への罪悪感と同時にその愛情への疑念を拭えない娘。
娘を素直に愛せず、時に残酷なやさぐれた父親。
純粋過ぎて悲しみを堪えられない女性。
結婚するかしないかで揉める男女。
人種を超えた友情や恋愛。
色々な「愛」の形を描いています。どれも完璧でないけれど、それで良いのだと…。
空っぽの穴はミツバチが蜂蜜で満たしてくれるのと同じように、マリア様も空いた心を愛で埋めてくれるのよと。くじけそうになったら、私の心に触れなさいと…。"It's alright. I'm here. I'll be taking care of you now."
"Mary is always there. I feel her in unexpected moments. She will suddenly rise, and when she does, she does not go up in the sky... but further inside of me."
Rosaleenが小屋を出た後は、屋敷に黒人が暮らし、白人が蜂蜜小屋に住むという構図に。南部の農園としては若干皮肉的です。
Mayが自分に石を乗せて水死する姿。
抱えきれない不幸や悲しみの重みが、石そのもののようでした。
劇中でLilyが養蜂を学び携わる時期が、姉妹の名前のようにちょうど春から夏にかけての作業みたいですね。
好きな雰囲気
まず主人公がいい!
難しい年頃の少女を何て上手に演じるんだろう…
なによりかわいくて、それだけで見る価値あり
はちみつがテーマだったり
細かい描写が好きです
なんか癒される演出が多くてホッとしながらみれました
愛です…
とにかくテーマは愛です。いろいろな愛…この物語の中には、一つの愛の形だけではとどまらないようないろいろな物が描かれている気がした。
そして、同時に、人権問題などを世界に訴えかけるような…
とにかく、今まで普通に思っていた愛の形だけではないのだな…と思いました。
とにかくいい作品でした。ただ、最後は少しこれでいいのかな?と思ってしまいました。そこのところまだ私の頭が固いのかな…と思いました。
親の愛を下さい。
名画座にて。
かなりの評価を聞いていた作品なので楽しみだった。
D・ファニング、私はなぜか安達祐実とダブるんだけど^^;
この彼女たち、上手く成長しましたねぇ。という感じだ。
まぁ結婚だ、出産だ、となれば色々あるんだろうが…。
とりあえず女優として、子供時代から今へのステップが
演技力と相まって、今回もさすがのオーラを醸している。
どんなに汚い恰好をしていても(ごめんね)、化粧っ気が
なくても、若々しく見えるというのは羨ましい…(嫉妬^^;)
ただしかし。。。
内容は、個人的にはけっこう辛かったなぁ。
親の愛を欲しがる子供に、素直に与えられない父親。
事故死した母親への思慕と責任で押し潰されそうな娘。
ミツバチに逃避する気持ちが痛いほど分かるのである。
そしてある意味、あそこまで不当な差別(時代ですが)
を目の当たりにしてなお、黒人達と行動を共にしたがる
彼女の気持ちが、正直、分からない部分も多かった。
(のちに母親の過去が明かされてなるほど…となるが)
どんなに自分の価値観は違う!と声高に叫んでみても、
世間は容赦なく彼女の傍にいる彼らを、迫害するのだ。
公民権法など、知ったことかよ。の暴虐ぶりである。
せっかくの愛すべき隣人(いや、もっとか)を手にした
少女が、その愛を諦めかける決断には涙が出たが、
何気に気付くのが遅すぎる感もあった…悲しいことに。
母親の愛を再確認したかった彼女が手にした事実は、
紛れもなく一度は捨てられたことでもあった。時を経て、
自身が落ち着いたら子供を迎えに行くという母親像は、
「クレイマー、クレイマー」などでも証明済みである。
自分を見失い、親としての責任を放棄してしまうのだ。
私には出来ないが…(-_-)その立場の程によるのだろう。
彼女がもう少し大人になって、男女の理解不能な愛憎を
学び、非情な愛を持つ父親の心情に迫ることができた時、
初めて自分の愛を認識できる立場になるような気がする。
親だからといって、必ずしも聖人君子ではない。
まぁ私も…あの父親とは暮らしたくなどないが…^^;
(しかし、P・ベタニーが上手すぎて誰か気付かなかった)
Q・ラティファをはじめとする三姉妹がとにかく魅力的!
で、実に個性的。大地のような包容力を持つ長女・8月と、
冷たい美貌の次女・6月。すぐ情に溺れてしまう三女・5月。
名前も個性的だが、彼女らの生き方も進歩的で朗らかだ。
あえて卑屈にならず、他人を羨むこともない。
白人の少女ですら温かく(一人は違ったが^^;)迎え入れる
彼女らの人間性から学ぶことが、ことのほか多いのだ。
そして…なぜそう生きられるのかを8月はリリィに告げる。
不幸を背負い、複雑な思春期を迎えた少女が学ぶには、
もってこいの場所だと思える。ここで落ち着きを取り戻し、
自身の夢を実現させるべく精進し、差別や偏見のない
明るい未来が訪れたらいいなと、今の自分が願っていた。
(最近のW・スミス夫妻、製作ではいい仕事してますね^^;)
愛されることは愛すること
もともと期待はしていたんですけど、とっても自分好みの作品が観られました。
ちょっときれいに描きすぎかなーという気がした分、感動のふり幅が若干目減りした感じが残ったんですけど、それでも公民権法制定でも根強く残る黒人への差別ぶり、亡き母の愛を確認するために行動を起こす少女の成長物語は観ていて、とても印象的なものでした。
過失とはいえ自分が母親を殺してしまうという重い十字架を背負って生きていかなくてはならない状況。その十字架を少しでも軽減できるように接してほしい父親も冷酷で、すがれる対象のない少女を思うと、物語の当初から重いものを抱えて観なくてはならない作品なのは確か。
自分自身を許すことが出来ない少女の心にちょっとした安らぎを与えてくれたオーガストの包容力に、観ているこちらまでが優しくなれるような素敵な作品になっているかなと思います。
子どもとして守られながら生きていた小さな社会から、行動を起こしたことで望む望まないに関わらず、見ることになってしまう現実社会。つきつけられる現実は少女を大人に変えていくには十分すぎるものがあるでしょうね。それを思うと、リリィがかなり不憫に思えてしまうかなと。
リリィが成長の過程で取捨していった数々のものが、この後の彼女の人生を照らすものになってほしいなと感じました。
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