「コワイ・ヒドイ・オモシロイ映画でした。」カイジ 人生逆転ゲーム りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
コワイ・ヒドイ・オモシロイ映画でした。
映画館に置いてあった、小冊子を読んだだけの知識で見に行きました。
思っていたより、社会派作品でした。
ストーリー運びが巧妙で、そこまでやるか?!という連続だったけれど、色々な意味でキョーレツで、堪能できる作品でした。
藤原竜也さんは、すごく良いのだけど、少し大袈裟な演技かな~と思ったけれど、原作を読んでいる友人に聞くと、そんな感じのようですね。
悪いヤツが、何人か出てきます。
他人に借金を背負わせて、トンズラする友人もどき。
悪の組織でのし上がって人の心を持たない、香川照之さん演じる利根川。 皆の憎しみを一身に受ける役を熱演。
地下で負け組達を束ねる、松尾スズキさん演じる班長。 こういう「小悪党」の、良い人面して、ずる賢くて、セコイ、イヤラシさを好演。
天海祐希さん演じる、町金。とことん悪くなくても、迫力ある女性。
山本太郎さんの、憎たらしさ。
友情出演の松山ケンイチさん、良かったです。
カムイの時より、足が長くなった?!
皆さん、さすが!! 良かったです。
じゃんけんゲームも、そんな手があったか!と思いました。
電流鉄骨渡りシーンでは、特撮だよね~とわかっていても、手に汗握り、もっと慎重に行きなさいよとか・・・そんなに悠長に喋ってないで早く行きなさいよとか・・・、いつの間にか一生懸命応援していました。
地下で、汗水垂らして力仕事した後の、一杯のビール。
「悪魔的にうまい!!」というあの一言。
その美味しさを知ることが、大切なんですね。
人生逆転ゲームと副題がついているけれど、「勝ち組」だとか、「負け組」だとかじゃなくて、「何が大切か」をわかること。
他にも、人生教訓が色々出てきます。
保証人にはなるな。
最後の最後まであきらめるな。などなど。
以下、ネタばれです。
最後、カイジは命がけで手に入れたナケナシのお金を、おっさんの娘に渡してしまう。
おっさんが握りしめていて(カイジも握りしめていて)、よれよれぼろぼろになったた手形とともに。
そんなことをすると、また元のビンボー生活に戻るわけだけど、カイジは、晴れ晴れと、清々しい顔をしている。
何が大切かわかった顔。
ぬるま湯につかっている私などには、ハラハラドキドキ恐くて、でも、教訓ありの、社会派エンタメ作品でした。