「爺さん、かっこよすぎんだよ」グラン・トリノ もっちりもっちりさんの映画レビュー(感想・評価)
爺さん、かっこよすぎんだよ
こんちきしょ、かっこよすぎんだよ、老いぼれのポーランド野郎!
こうですか?男の会話出来たかな。
どんなに状況にあってさえ捨ててはならぬ矜持があることを時たま映画から教えて貰う時があります。
特にこのグラン・トリノの爺さんには教えられました。フォードの工員としての矜持と、こっちは悲しい矜持だ、戦争で勲章貰った男としての矜持。
前途あるタオに殺人を犯させないため、その悲しい矜持を持ち続けたわけです。命をかけて。
戦争という特殊な状況で人を殺さなければならなかった過去が、爺さんには過去じゃなかった。過去になっていなければ懺悔も出来ないわな。
神学校出たての童貞野郎も、タオもスーもヤムヤムもみんな丸い顔で可愛い顔をしていてその丸い顔が悲しみに恐怖に歪む姿はみたくない、と思ったけれど……でもスーが民族衣装で爺さんの葬儀に出ていた姿は、聡明で強い彼女の未来が明るい物になることを暗示しているんだ、と自分に言い聞かせてみた。
人種やら血やら関係なく家族にはなれる。そして友情とは経過した長さでも濃さでもなく、角度なんじゃないか。そんな風に思いました
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