「この後味は才能がもたらすもの」グラン・トリノ こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
この後味は才能がもたらすもの
イーストウッド演じるウォリスの悲しくも誇らしい決断。
その考えがじわじわ感じるところからすでに
感涙の波がやってきたのですが、
意外にも観ていて涙があふれ出るという感じではなく。
観終わったときには暖かな未来への展望を感じる。
凡庸な作品だったら「ああ、かわいそうだね、えらいね、でもわすれないよ(涙)」
的なところで終わったのかもしれないけれど
そこからさらに一歩があるのがすごいところ。
それは考える余地を観客にゆだねてる部分のせいもあるのかもしれない。
そういう意味ではイーストウッドは
観客というものに夢と希望を抱いてるように思う。
新人の脚本というのも驚く。
ある意味うまくまとまってるな、というものだったのかもしれないが
いい題材でうまい料理人がやるとこうなる。
それにしても男の魂は受け継ぐのに資格がいるのだな。
こいつになら、と見込んだ相手にしか継承されないのだ。
この映画は男の子の映画だなあと思った。
いい車、偏屈だけどクールなジジイ、かわいい女の子、マイ工房。
最近ちまたで言われてる草食男子はツボが違うのかな?
女子にもぐっときますけどね!
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