「温故知新」グラン・トリノ にゃらんさんの映画レビュー(感想・評価)
温故知新
人生はいろいろな人との関わりで出来ていると教えられた映画でした。
誰かに支えられていない人間は弱く、たとえ自分の家にいてもどこか所在ない。
しかし誰かに支えられ守るものを得れば人は豊かに強く生きられる。
一番近いはずの人が遠く、関係ない他人が近くに感じることもある。
実の息子夫婦家族に疎まれているウォルトがモン族のタオとスーに受け入れられたのも、彼らが一族の伝統を大切にし核家族ではなく家に祖母が同居しており、老人と接するのになんの抵抗も無いからだろう。
先進国に共通の問題ともなっている核家族化や介護の問題にも繫がっている。
この映画を観ていて何故かエリートの息子夫婦の家族よりもモン族のタオやスーの家の方が豊かに感じられたのは何故だろう・・・
「温故知新」昔のことを良く知り、そこから新しい知識や道理を得ること。
素敵なだけの未来もダサいだけの過去もない、グラントリノのように魅力ある過去もある。
不器用なウォルトは大切にするあまり使いこなせなかった自慢の車を、若いタオに自分の人生と一緒に託して今使いこなして欲しかったんじゃないかなぁ。
人と人の絆が鎖をつないぐように続いていくような気がしました。
普通の一人の人間の人生って本当に深くて広いんだなぁ。
人生も映画のよう、でもたった一作しか作れない・・・
そう感じた映画でした。
一言で語れない、本物の人生が映画になっている凄さにただただ頭が下がりました。
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