「シンプルで解りやすく友情に感動する」グラン・トリノ ayayanさんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルで解りやすく友情に感動する
善と悪に白黒つけ悪者にバツを与えスッキリする、クリント・イーストウッド作品に多く見られる男のロマンと年代を超えた友情を描いている。
妻を失った寂しさと晩年の孤独を、口にも態度にも表さず、世の中を批判することで生きる活力をつくっていた孤高の老人の心が、素朴さと純粋さを失っていない一人の少年を守りたいと動き出す。その少年タオに対して父親の様な思いを持ち助けることが、老人ウォルト自身の心も救って行く。
いつも下を向いてたタオの顔が次第に上がっていき、最後には意志を固めた様な凛々しい顔つきをみせる。
ラストにタオがグラン・トリノに乗っている姿から、ウォルトへの憧れがみえ、自身の道を見つけて歩いている感じがした。同時にウォルトの思いを受け止め、しっかりと正しい心を持ち続けられるか、一抹の不安もよぎる終わりになっている。
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