グラン・トリノのレビュー・感想・評価
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ヴィンテージな最期、そしてラストカットが素晴らしい。
○作品全体
思想や思考が凝り固まった老人がその心を次第に変化していくヒューマンドラマではあるが、その根底にあるのは妻が死に、自身も病に冒された状況での「エンディングノート」。
昔は国を守って戦っていた男は年老いて家族も守る対象ではなくなり、いつしか逆に心配される側になっている。守るべき領土は自宅の庭になってしまった。過去を回顧するばかりで目の前の世界が矮小化しているコワルスキー。その目の前に現れたのが、今一度世界を開かせてくれるスーだ。自身の守りたいものを再び手に入れたコワルスキーが、幾度もこぼれ落ちそうになる「守りたいもの」を静かに拾い続ける姿は不器用ながらとてもカッコよく感じた。
自身の命が短いことを悟って自ら死に場所を選ぶような最期は「旧態依然」というより「ヴィンテージ」という言葉が相応しい。
ラストカットの街を走るグラン・トリノがその「ヴィンテージ」の輝きを目一杯表現しているようで、これがまたかっこよかった。
○カメラワークとか
・やっぱりラストカットが良かったな。グラン・トリノが走り去った後もFIXで撮り続ける道路。行き交う車は様々だけど、同じ道路を走っていて、その先も走り続ける…と言ったような。作品の余韻の残し方としても素晴らしかった。
真の友情を得たので
観た直後、余韻というのかな、じわーっと来ますね。
長く人生を共にした妻を見送る葬儀のシーンから始まる。
ウォルト•コワルスキー。(クリント•イーストウッド)
長くフォード社で働いて来た。
財産と言えば、手入れの行き届いた自宅と、
わが子のように愛し磨いて来た愛車グラン•トリノ。
二人の息子とその家族がいるが、
それぞれから煙たがられる存在。
でも、イーストウッドお祖父ちゃんと
息子たちの顔が似ても似つかない。
イーストウッドお祖父ちゃんは、
若い頃の超イケメンが元なので渋カッコいい❗️
高身長だし背筋伸びて。
息子たち?ブテッとした容姿で
お顔も父さんを大事にしようという表情じゃない。
嫁、根性悪さが出ている。
孫娘、祖母ちゃんの葬式に来る格好か⁉️
距離置きたくなる気持ちわかるなぁ。
ま、イーストウッドお祖父ちゃんも、
息子や孫に、ズケズケ嫌味たっぷりいうからなぁ。
血🩸は繋がっているが、心❤️はどうなんだろう❓
若い神父登場。
キューピー、いや、老けた天使みたいな神父。
この神父に失礼な言動、言い放題。
トヨタのランドクルーザーに乗り早々に帰る息子家族。
隣に越して来たのは、マン族という中華系家族。
イエロー❗️ と言うコワルスキーじいちゃん。
お祖母ちゃんと言葉通じないまま睨み合う。
この家のタオという息子の従兄弟、ガラ悪すぎ😱
揃いも揃ってダサ過ぎな奴ら。
コワルスキーがアジア人の印象を
コレだと思っていたら、 嫌うのわかるなあ。
いや、しかし、コワルスキーじいちゃん、
人種差別発言ばかり。
朝鮮戦争従軍経験のあるコワルスキーじいちゃんは、
“死”に対して一生忘れられない思いを持つと、
若い神父に打ち明ける。
タオが従兄弟の仲間に唆されて、
グラン•トリノを盗みに来るが失敗、
コワルスキーじいちゃんに見つかった。
息子がたまに電話して来たから何事かもと思えば、
NFLのチケットを融通して欲しいだと。ガチャッ☎️
タオを脅しに来る不良たち。
コワルスキーじいちゃんが気づいて
朝鮮戦争時のことを持ち出し
アジア人をやっつけた話をし追い返す。
翌朝、タオの家族親族が御礼を持ってやって来る。
謝るタオに、
“今度庭に入ったら命は無いからな。”
と言うコワルスキーじいちゃん。😱
若神父が、赦しを請わないかと諭しに来た。
先に不良を警察に通報すべきだとも。
アホなイタ公の床屋。
タオのねーちゃんスーが、黒人に絡まれる。
相手にしなければいいのに。
じいちゃんに助けて貰う。
しつこい黒人不良にとうとう銃を出し追い払う。
東洋人は利口な筈だ、と言うじいちゃん。 えっ⁉️
タオの様子を見て親切ないい子だと言う。
コワルスキーじいちゃんの心象に変化❓
老人ホームを勧めに来る息子夫婦。 😩
となりの家に食事に招待され、美味しいと食べつつ、
祈祷師の言葉に呆然とするコワルスキーじいちゃん。
そして親近感を持つ。
ユアという女の子と話す。
翌日も御礼を持って来る人たち。
いらない、いらない、と言いつつ、
あっ、美味しかったヤツだな。😊 とじいちゃん。
タオが償いに働きたいとやって来る。
毎日働く内容を聞いて働くタオ。
粗大ゴミを片付けたり、修理したり、
ペンキ塗りしたりよく働くタオ。
近所からスズメバチの駆除も頼まれるように。
血🩸を吐くじいちゃん。
診断結果を聞き息子に電話するが、
忙しそうで相手にしてもらえない。 😔
不良たちが通ると、ガン撃つ真似するじいちゃん。 🤩
工具財閥のじいちゃん。
タオに基本の三種貸してくれた。
不良たちがじいちゃんのグラン•トリノを狙っているとか。
タオに吐血を見られ、病院に行かない、とと言われる。
タオに変な教え?
強い男になる為に理髪師のオヤジとご指導。調教❓
無事🈴?
タオに建設現場の仕事を紹介してくれるじいちゃん。
工具入れなども一緒に探してくれる。親切。
だけど、仕事に精出すタオを不良たちがまた狙う。
タバコ🚬の火まで押し付けられたタオ。😖
知ったじいちゃん、不良に仕返し。😡
タオに、グラン•トリノを貸すというじいちゃん。
タオの家やじいちゃんの家が銃撃される。
スーが帰らない。
そしてポロポロになったスーが。😭
復讐するといきり立つタオに平静になれ、と言い、
綿密な計画が必要だ、とも言い、
自分は、
芝を刈り、風呂に入り、散髪しに行き、
初めてスーツを仕立て、神父に初めて懺悔し、
やって来たタオを閉じ込める。
タオにはさせられない❗️
人を殺した気持ちをタオに味わせたくない。❗️
今夜は一人で行く、と。
🐶もばーさんに預ける。
スーにタオの居場所と鍵のありかを言い‥‥。
警察を呼んだ神父。
従兄弟スモーキーの家に行くコワルスキーじいちゃん。
挑発し、やったことをきちんと非難し、
懐からライターを出す、と言い、
手を入れた途端に、
銃で滅多撃ちされてしまう。 😨
丸腰のにじいちゃんを撃ち殺したヤツら。
長期刑になる、と。 警察官の言葉。
お葬式、神父の話。
タオに、グラン•トリノを譲るじいちゃんの気持ち。
血🩸よりも、人種関係なく、年も関係なく、
心が通じ合った人に、
自分ができることをしたいと考えたじいちゃん、
人の死をたくさん見て来て後悔ばかりなので、
タオには経験させたくない親心❤️
人間の孤独、安寧、尊厳とは
日本公開2009年
数あるクリント・イーストウッド監督作の中でも、胸打つ名作だろう。
ミリオンダラーベイビー、ミスティックリバー、許されざる者、等々でアカデミー受賞歴もあり、父親たちの星条旗、硫黄島からの手紙、などの監督作も数知れず。俳優としても壮大なキャリアをもち、今作制作時は御歳78歳。
その後も制作、出演も続けて現在94歳。デヴィッド・リンチが先日鬼籍に入って、個人的に好きな監督や俳優が逝去する中。昨年、事実上の引退作とも言われている 非常に評価の高い 陪審員2番を制作。UーNEXT配信のみ、という個人的には非常にショックなこともある。ぜひ映画館公開してもらいたいが…。
今作。彼が監督としても最も脂が乗り切っていた頃の作品。この作品は現在アメリカに続く地平の物語でもある。
よく言われる人種のるつぼアメリカ、そもそもが移民国家のアメリカが背景にある。
クリント演じる朝鮮戦争に従軍、頑固にして差別用語連発のウォルト。隣に越してきたモン族の家族、一族との交流を通し、尊厳ある人としての生き方とは、というひとつの形がラストで感銘を呼び起こす名作。
モン族の少年が、チンピラ仲間と共に、クリント演じるウォルトが大切に保管しているフォードの名車、グラン・トリノの盗みに強引に引きこまれ、失敗。そこから少年タオ、姉のスー、一族との不思議な交流が始まる。その模様はユーモアも交え、なかなか面白い。
ウォルトとタオが擬似親子のような関係になるその過程が、丁寧に描かれる。
ウォルトの生き方はある種の虚構を帯びているのだが、
彼は信念を持ち、血縁家族との関係性は悪く、隣りのモン族の人々との関係性の方が良くなってくるのだ。
ウォルト自身も息子家族、孫たちより、どうしてこのアジア系民族の彼らといる方が良いのだ?と自問する場面もある。
タオに仕事の口を紹介し、順調に進むかと思われた生活も
暴力により暗雲が立ち込める。
モン族のタオ、スーたちの未来にギャングたちがいれば、彼らに幸福は訪れない、と苦悩するウォルトは最期の決断をする…。
監督主演イーストウッド。脚本原案ニック・シェンク
改めてアメリカは移民国家だ。白人、ヒスパニック系、黒人、アジアの人々…モン族の歴史もこの映画で初めて知り得た。
そして銃社会…。
西部劇、ダーティーハリーでならした彼は、銃社会の中
銃で暴力に立ち向かうのか…。
ラストは言葉を超越するシーン…
タオが、ウォルトから譲られたグラントリノで湖畔をドライブするエンドクレジット。
私にはこの映画はクリントイーストウッドの、遺言状にも思えた。
ウォルトの愛犬がなんとも表情豊かで、演技賞あげたいぐらい。
大衆ウケドラマ
不器用な男の生き様
ウォルト・コワルスキー
の前半のYellowに対する偏見は、案外監督自身の偏見に近いものだったのかもしれません。
それでも、知り合うことによって、人は理解し合える。私はそう受け取りました。
傑作。
グラン・トリノの走り去った姿が心に残る。
<追記>
ふと、クリント・イーストウッドの「危うさ」も感じてしまった。
死にかけのおじいさんが最後に気のいいニートの若者を一人前の男にして...
凄惨な戦争時代の話も言葉のみでマイルドテイスト
クリント・イーストウッドが主演・監督するヒューマンドラマ映画。元...
クリント・イーストウッドが主演・監督するヒューマンドラマ映画。元軍人で心を閉ざした頑固な老人が、アジア系移民・モン族と接触することで最後の行動を選択する。
喀血シーンが繰り返されていることから、主人公は進行肺癌に罹患し余命が短いことが示唆される。どうせ散る命なら意味のあるものに、また生きてるうちに朝鮮戦争の贖罪も・・・なのだろう。この死期間近という設定があることで「最後の行動」がより意味深いものになっているように思う。
魅力的なストーリーを優先するのではなく、主人公のこまやかな心情を丁寧に描き出す事に注力されている。またその心情描出はセリフではなく映像で表現されていて、小説ではないが文学臭を感じる。
単なる娯楽映画と一線を画した余韻を残す「文学的映画」と言える。
なお「グラン・トリノ」とは1968年~1976年にかけて販売されたフォード・トリノのうち、第3世代(1972~1976年)を指す。この映画を契機に1972年製グラン・トリノは注目を集めるようになったとのこと。
「与える」という行為
そりゃあ選択肢としてはアリだろうが、選ぶなよぉ..... 好き嫌い...
そりゃあ選択肢としてはアリだろうが、選ぶなよぉ.....
好き嫌いで分けられない、凄まじい映画。得難い体験なので☆5つ。
【怠慢かましてよかですか?】
ごめんなさい。
あまりに悲しくて、彼の生き方を手放しで応援できない。
追い返そうとした東洋系隣人がビール持ってきたら「あぁもう、入れ入れ!」みたいに家に上げたり、
言葉の通じないおばちゃんたちに囲まれて「・・・はは、美味しいねぇ」って愛想笑いしながらぎくしゃく食事してるコワルスキーさんが、とても愛おしかったから。
そういう面も持ってるコワルスキーさんが好きになったから。
完璧な生き方を貫けないとだめですか?
スローダウンして、ゆるゆる終わりを迎えるのはだめですか?
悲劇の引き金を引いたのは自分だし、
背負ったものに落とし前つけて去る潔さとか、
一度は必ず迎える死のカタチを自分で決定したい気持ちとか、
ンなこたァ分かッてンだよぉ!!!←誰に怒ってるんだろう
やり場のない憤懣や拭い去れない後悔を、一挙に精算できる機会に恵まれた彼は、幸福かもしれない。
でもさ・・・割り切れない残滓を抱えながら、
周りの人たちと些細な一喜一憂をともにしていく生き方も、
幸福と呼んではいけないのでしょうか。
そういうだらしのない生き方は、ダメですか?
選んじゃったか、それ。うーん・・・
悲しいですよ。私は悲しいですよ。
ウォルトは他人がやることが気に食わない頑固親父 みんなから敬遠され...
ウォルトは他人がやることが気に食わない頑固親父
みんなから敬遠されている
朝鮮の戦争で何人も殺した
隣のモン族にはすぐ心を開いたけどなんでだろ
子どものとの付き合いがわからなかったことも懺悔の一つだろうけど、やっぱり一番は戦争なんだな
頑固親父が心を開いていく様は良かったな
最後も予想外だった
悪態ジイさん‼️
かつてのアメリカ黄金期の栄光を引きずる孤独で偏屈、しかも人種差別主義者の老人が、隣人であるアジア系移民のモン族の少年をはじめとする、その家族と交流していくうち、絆を深めていく。そしてある事件が・・・。クリント・イーストウッド監督扮する骨太親父による説教&鉄拳制裁&自己犠牲映画‼️もっとよく言えば、人生の究極の選択映画‼️モン族の少年を一人前のアメリカ男に鍛え直したり、非道の限りを尽くすギャングたちに「キサマらぁ!!」と怒りの銃弾をぶち込む?ぶち込まれる?教育的指導したり、まるでイーストウッドの映画人生が集大成されたような物語‼️泣けます‼️クライマックスでポケットから "マッチ" を取り出すときのイーストウッドの表情‼️忘れられません‼️ラストで聞かせてくれる歌声‼️絶品‼️上手すぎ‼️この作品を象徴する72年型グラン・トリノもカッコ良すぎ‼️欲しーい‼️
イーストウッドの贖罪的な映画かと
今までのイーストウッドの正義感が間違っていたと大々的に映画で表現した映画だと思いました。ダーティハリーに代表されるように、悪を駆逐するためには、何をしてもよいような志向の作品に出演してきました。しかし、彼は、そうしたアメリカ的な価値観が間違いだったと気づいたのでしょう。正義の名を借りた悪の方が質が悪く(「許されざる者」)、言い換えれば、それはアメリカなどの先進国側なのだと。劇中、アジアに戦争(朝鮮戦争)に行った時に、彼らはイデオロギーなどではなく、ただ自分の国を守ろうとして戦争をしていたことを告白しています。それ故に、映画の中では、アジアの少数民族モン族との交流に気持ちが傾いていき、アメリカの病んでいる若者たちと戦います。そして、解決の仕方は、悪を駆逐するのではなく、自らを犠牲にして守ること。暴力を更なる暴力で解決しようとしても、暴力の連鎖が生まれるだけ。(現在の戦争のように)今までの考え方の間違いに気づき、自分たちの姿に気づけ!というメッセージが強く胸を打ちます。そう思ってみると、彼の並々ならぬ決意が伝わってきます。きっと、朝鮮戦争に行ったことで、イーストウッドはトラウマに悩まされていたのでしょう。常軌を逸した行動や嗜好も、そこから生じたものだったのかもしれません。
最後、撃たれて倒れている時は、十字架の恰好でした。現実に対応していない宗教を嫌いながらも、自らを犠牲に捧げる姿は、より現実的な殉教者のようにも見えました。
この後味は才能がもたらすもの
イーストウッド演じるウォリスの悲しくも誇らしい決断。
その考えがじわじわ感じるところからすでに
感涙の波がやってきたのですが、
意外にも観ていて涙があふれ出るという感じではなく。
観終わったときには暖かな未来への展望を感じる。
凡庸な作品だったら「ああ、かわいそうだね、えらいね、でもわすれないよ(涙)」
的なところで終わったのかもしれないけれど
そこからさらに一歩があるのがすごいところ。
それは考える余地を観客にゆだねてる部分のせいもあるのかもしれない。
そういう意味ではイーストウッドは
観客というものに夢と希望を抱いてるように思う。
新人の脚本というのも驚く。
ある意味うまくまとまってるな、というものだったのかもしれないが
いい題材でうまい料理人がやるとこうなる。
それにしても男の魂は受け継ぐのに資格がいるのだな。
こいつになら、と見込んだ相手にしか継承されないのだ。
この映画は男の子の映画だなあと思った。
いい車、偏屈だけどクールなジジイ、かわいい女の子、マイ工房。
最近ちまたで言われてる草食男子はツボが違うのかな?
女子にもぐっときますけどね!
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