「コットンがかわいかった」ホッタラケの島 遥と魔法の鏡 masakoさんの映画レビュー(感想・評価)
コットンがかわいかった
羊のぬいぐるみのコットンがかわいかった!!
この映画どうだった?と聞かれたらまず最初にそう答えてしまうだろうなぁ。
高校生の遥は幼い頃に母を病気で亡くして以来、父と二人暮らし。だけど仕事仕事でなかなか帰ってこない父にはいつも反抗的な態度を取っていた遥。
ある日、無くしてしまった母の手鏡を返して欲しいと神社にお祈りに行くと、目の前で不思議な生き物を発見する。そしてその後をつけていった遥は、異次元に迷い込んでしまう。迷い込んだ先はおとぎの国のような「ホッタラケの島」。そこは人間がほったらかしにしたもの、つまり「ホッタラケにされた宝物」で作られた島だったのだ。遥は神社で見たホッタラケ島の住民・テオの協力を借りて、母の形見の手鏡を探し始める。
アニメ映画のイメージと違い、最初の遥はちょっとすれたイマドキの女子高生という雰囲気でした。母親のことが大好きだった遥は、だらしないし仕事ばっかりの父親には常に反抗的。しかしそんな遥はホッタラケの島で、なくしてしまった大切なもの、大切な”思い出”を取り戻します。
日本初のフルCGアニメですが、Production I.G制作だけあって映像はすばらしいです。特にホッタラケの島がすごくカラフルで、本当おとぎの国というかおもちゃ箱のような感じなんです。
ホッタラケの住民達は自分達でモノを作り出すことができないので、人間がほったらかしにしたものをこっそり盗んでくる。人間は盗まれても、ほったらかしにしていたものなので、無くなったことに気づかない。人間の世界の”
ほったらかし”にされたもので作られた世界はなんだか不思議な空間です。
昔はとても大切にしていたはずの宝物。
それがいつの間にかどこかになくなってしまった、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。私もいっぱいあるなぁ。あー、そういえば昔持ってたよなぁ。あれどうしたっけ?なんていうことはしょっちゅう。
私たちって本当身勝手だよなぁと自分に置き換えて考えてしまうところもいっぱいありました。手鏡やぬいぐるみのコットンを「私のよ!返して!」と遥は言うけど、今までほったらかしにしておいて返しても何もないですよね。コットンのことなんて存在すら忘れてたくせに。
でもそのコットンは本当めちゃくちゃかわいかった。昔、遥に捨てられたことをきっと恨んでいたはず。だけどそれ以上にコットンには遥との楽しい思い出があったんですよね。そんなコットンが馬に乗って遥を助けに行くシーンはすごくかわいかったです。
どうしてもコットンがかわいすぎてとても存在が薄れてしまった準主役的存在のテオ。魔法の力が弱いからと島の住民に馬鹿にされていたテオですが、このテオが実は本当とてもいい奴だったんですよね。
そしてこの映画、何気にジェットコースターアクションシーンが結構盛りだくさんで、スピード感や迫力もありました。テオも遥もよく無事だったよな、という感じです。
お母さんからもらった手鏡がホッタラケの島でなんであんな特別な扱いだったのかとか、遥がなんで突然あの鏡に執着したのかとか、男爵のキャラがイマイチ中途半端というかショボかったりと突っ込みたいところも沢山ありましたが、全体のストーリーは分かりやすかったからそれはそれで良いのかな?
鏡が見せてくれた大切な大切な”思い出”のシーンはとても良かったです。私も自分の子供の頃のこととか思い出しちゃいました。