「なぜだか嫌いになれない」ミスター・ノーバディ チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜだか嫌いになれない
正直に言って、技巧的にすぎるように思いましたし、知的にすぎるような気もしてたんですね、観ている時はね。時間の経過を示すような挿入的なシーンは、どれもありきたりな表現のように思えましたし、ひとつひとつのショットが輝いていたわけでもありません。でも、観終わって、しばらく経つんですけど、なんだか不思議とこの映画を嫌いには思っていない自分がいるのが不思議なんですよね。
ジュノー・テンプルがとっても可愛かったというのはあります。その他の女優達もみんな印象的です。
でもそれだけじゃなくて、やっぱりこの多様な生き方の厚みに少しこころが動かされたのだと思います。どの人生もが、いってみれば、どうしようもなく人生そのものという感じがして、なんだか悲しい気持ちがしてるんですよね。もちろん、この悲しみは決して悪い悲しみじゃありません。最後には気持ちが前に向く悲しみなような気がします。
『トト・ザ・ヒーロー』がとっても良かったのでこちらの作品も観てみたんですけど、観て正解だったかな。
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