「人間を好きになるなら、まずは嫌いになることだと思います」バーン・アフター・リーディング あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
人間を好きになるなら、まずは嫌いになることだと思います
2008年アメリカ映画。96分。ちょうど昨日、全米で新作が公開され、すこぶる評判のいいコーエン兄弟のブラックなコメディ映画でございます。俳優陣はとにかく豪華なのに、配給会社はインディペンダント系なのがよろしい感じ。
内容は、飲酒癖が原因でクビになったCIA捜査官(ジョン・マルコビッチ)が腹いせに暴露本を執筆。そのファイルが思わぬ所で流出して、それを手に入れたスポーツジムの従業員が恐喝するお話。
そこに不倫などの人間関係が入り乱れ、ちょっとした話がどんどん大きくなって、結局最後はすべてが無意味に終わります。ものの見事にポストモダンしてます。
本作の他のレビューを読んでいると、とにかく酷評の嵐なのですが、それに大方共通しているのがバカな人間ばかりを描いているという批判。でも、わたくしが思ったのは、それでも人間は本作で描かれているように実は無意識に大バカだったりするのかも、ということです。
そこから作られたコメディなものだからとてもブラックになります。そして、この手のブッラクユーモアは苦手な方は多いと思います。ですので、万人向けの映画だとは思いません。
ちなみにコーエン兄弟の映画はエンディングロール始まる一歩手前のラストが、いつも作品の肝を出しているのですが、本作も見事にそれを出していますので、それも必見です。
ちなみにわたくしは結構、人間嫌いな部分もあるので、この手の作品は好きですし、かなり笑えました。ノーカントリーより、わたくしはこちらを買いますね。
百ももさん
コメントありがとうございます。
たしかにブラピの演技は見ものですよね。
個人的に今でも思い出せるのが、マルコビッチの家に忍び込もうと車の中で音楽聴きながら機をうかがっている時の演技。あの頭の中でいろんな妄想がぐるぐる回っているんだろうなーと親密に思わせる演技はスバラシ。
本作が好きになれない人の気持ちは分る気もします。
わたくしの場合はコーエンというだけで色々と穿った見方してしまうので、評価も甘めになってしまいます。批評家になりきれない理由です。
コーエンの最新作は予告編が素晴らしいのですが、いまだ日本公開は未定。。。
「バーン・アフター・リーディング」、私はちょっと微妙でした。
人間の愚かさを表面上はシリアスに、しかし実際にはかなり滑稽に描くことでブラックな笑いを生んでいるのはわかるのですが、思い切り笑うことができませんでした。
しかし、まあまあおもしろかったけどいまいち笑えなかったなと思っていた鑑賞の翌日、学校からの帰り道でふと本作のことを思い出したら笑いがこみあげてきました。もしかしたら、じわじわくる作品なのかもしれません。
やはり本作はブラピのウザい筋肉バカっぷりがよかったです(笑)
どうも、かなり返信が遅くなってすいません。
コーエン兄弟の新作「a serious man」が今秋に全米で公開され、その予告をYouTubeで観たのですが・・・
す、すごい、すごすぎる。
なんなんだ、この意味不明なおかしさと怖さは。
すごく楽しみです。