パッセンジャーズのレビュー・感想・評価
全101件中、1~20件目を表示
【77.6】パッセンジャーズ 映画レビュー
ロドリゴ・ガルシア監督作『パッセンジャーズ』は、深い喪失と罪悪感を抱える人間の心理を、ミステリーとドラマの融合によって描いた作品だ。その完成度は、全体として非常に高い水準にある。観客に安易な解決策を与えず、登場人物の内面と向き合わせることを要求する点で、商業性と芸術性のバランスを見事に保っている。冒頭から張り巡らされる謎の数々は、単なるプロットデバイスに留まらず、主人公クレアの精神状態を反映する鏡として機能している。飛行機事故の生存者たちの記憶の齟齬、謎めいたカウンセラー、そして次第に明らかになる真実。これらはすべて、クレアが自身の内面と向き合う過程のメタファーとして提示される。
本作は、観客が自ら物語のピースを組み立て、解釈することを促す構造を持つ。特に、クライマックスにおける衝撃的な「真実」の提示は、単なるどんでん返しに終わらず、それまでの物語全体の意味を反転させ、観客に深い問いを投げかける。この「真実」は、悲劇的ながらも、登場人物たちの行動原理や感情に新たな光を当て、物語に重層的な深みを与えている。その結末は、一般的な映画が提供するカタルシスとは異なり、静かで内省的な受容の形を取る。一部の観客には物足りなさや理解の困難さを感じさせる可能性もあるが、これは本作が目指した心理的な探求と、観客が期待する物語的解決との間のギャップに起因するものだろう。それでもなお、この作品は、人間の心の奥底に潜む感情や、死と向き合うことの困難さを、真正面から描こうとした点で、特筆すべき完成度を有している。感情の揺れ動き、葛藤、そして受容への道筋を、繊細かつ大胆に描き出した手腕は、高く評価されるべきだ。
ロドリゴ・ガルシアの演出は、抑制されながらも、登場人物の心情を細やかに表現することに長けている。全体的に落ち着いたトーンで、過度な感情表現を避け、観客がクレアの心理状態に深く没入できるよう配慮されている。特に、現実と記憶、そして幻覚の境界線が曖昧になる描写は秀逸で、観客をクレアと同じ混乱の中に引き込む。例えば、カウンセリングルームでの会話シーンでは、閉鎖的な空間と限られた登場人物の動きによって、心理的な緊張感が高められている。また、事故の回想シーンでは、断片的な映像と音響によって、クレアのフラッシュバックの様相がリアルに再現されている。
しかし、時にその抑制された演出が、物語全体の推進力を緩やかにする側面も否めない。特に序盤から中盤にかけては、物語のテンポがゆったりと進行し、ミステリーとしてのフックがやや弱い印象を与える。だが、これはクレアの精神状態を表現する上での意図的な選択であり、最終的にはその効果が物語の深みに貢献している。観客はクレアの視点を通して、徐々に「真実」に近づいていく過程を共有し、その心理的な旅路を追体験することになる。
アン・ハサウェイは、飛行機事故の生存者として心の傷を負い、その真実を探求するカウンセラー、クレア・サマーズを演じた。彼女の演技は、クレアが抱える深い喪失感、罪悪感、そして精神的な混乱を、繊細かつ説得力豊かに表現している。事故の記憶に苛まれ、不眠症に苦しむ姿、生存者たちとのカウンセリングを通じて彼らの記憶の齟齬に戸惑う表情、そして謎めいたエリックとの関係の中で次第に感情が揺れ動く様は、観る者の心を深く揺さぶる。特に印象的なのは、クレアが次第に「真実」に近づくにつれて見せる、絶望と恐怖、そして最終的な受容へと至る感情の変遷だ。彼女の瞳には、常に内面の葛藤が映し出されており、言葉にならない感情がその表情や仕草から伝わってくる。自身の専門分野であるはずのカウンセリングにおいて、自身の精神が蝕まれていく様を、抑制された演技の中に静かに表現している点も高く評価できる。極限状態における人間の心理を、アン・ハサウェイは見事に体現し、観客に深い共感を抱かせた。彼女の演技が、この作品の感情的な核を形成していると言っても過言ではない。
パトリック・ウィルソンは、クレアが担当する生存者の一人、エリックを演じた。彼の演技は、一見穏やかで理解ある人物としてクレアに寄り添いながらも、その裏に隠された複雑な感情や、ある「真実」を秘めていることを示唆する点で巧みだ。クレアとの間に芽生える特別な感情と、自身の抱える秘密との間で葛藤するエリックの内面が、ウィルソンの繊細な表情や声のトーンからにじみ出ている。特に、クレアとの関係が深まるにつれて、彼が見せるかすかな動揺や、意味深な沈黙は、観客に彼の真意を考えさせる。彼は、観客が抱くであろう疑惑を巧みに誘発し、物語のミステリー性を高める重要な役割を果たしている。彼の演技は、物語の鍵となる人物の曖昧さと深みを同時に表現しており、作品に不可欠な存在感を示している。エリックの存在が、クレアの精神的な旅に大きな影響を与える点が、ウィルソンの演技によって説得力を持って描かれている。
ダイアン・ウィーストは、クレアの隣人であるトニを演じた。彼女の演技は、クレアの精神的な混乱を、時にユーモラスに、時に鋭く指摘する存在として、物語に独特のアクセントを加えている。トニは、クレアが抱える問題の深層に気づいているかのような示唆的な言動を見せ、観客に物語の真実を予感させる役割も担う。ウィーストは、その短い登場シーンの中で、トニの持つ人間的な温かさと、どこか達観したような雰囲気を巧みに表現している。彼女の存在は、クレアの孤独を和らげると同時に、観客に物語の展開に対する期待感を抱かせる。彼女のわずかな登場シーンが、物語の全体的なトーンとクレアの精神状態に重要な影響を与えているのは、ウィーストの演技の深みによるものだろう。
デヴィッド・モースは、物語の終盤で重要な役割を果たすアーキンを演じた。彼の登場は限定的だが、その存在感は非常に大きい。アーキンは、当初は謎めいた人物として描かれ、クレアを監視しているかのような不気味な印象を与える。しかし、物語が進むにつれて、彼の真の意図が明らかになり、クレアの物語における彼の位置づけが反転する。モースは、その短い登場シーンの中で、言葉少なながらも、アーキンが抱える深い悲しみと、クレアに対する複雑な感情を表現している。彼の眼差しは、クレアの状況を全て理解しているかのようで、観客に強い印象を残す。彼の抑制された演技は、物語の核心に触れる重要な場面で、より大きなインパクトを与えている。その静かで威厳のある佇まいが、物語の真相に迫るにつれて、観客の心に深く響く。
アンドレ・ブラウアーは、クレアの指導教官であり、彼女の精神状態を心配するペリー教授を演じた。彼の演技は、クレアの混乱を理解しようと努めながらも、彼女の精神状態が危ういことに対して懸念を抱く、冷静かつ客観的な人物像を確立している。クレアが語る不可解な出来事に対し、専門家としての視点から冷静な分析を試みる彼の姿勢は、観客にとっても客観的な視点を提供する役割を果たす。しかし、同時にクレアへの深い愛情と心配もにじみ出ており、ただの記号的なキャラクターに終わらない人間的な深みを与えている。彼の存在は、クレアの精神状態が単なる心の問題だけでなく、より深い「真実」に根差していることを示唆する上で、重要なアンカーとなっている。
ジュリー・ラスムッセンによる脚本は、緻密に構成されたミステリーと、人間の心の奥底に潜む感情の探求を見事に融合させている。物語は、飛行機事故という衝撃的な出来事を起点に、生存者のカウンセリングを通じて謎が深まっていくという、古典的なミステリーの形式をとりながらも、その根底には深い喪失と受容という普遍的なテーマが流れている。
物語の核心をなすのは、クレアが「真実」に到達するまでのプロセスだ。当初、観客はクレアと同じように、何らかの陰謀や、生存者たちの記憶の捏造といった可能性を疑う。しかし、物語が進むにつれて、そうした表面的な謎の背後に、より深く、そして悲劇的な「真実」が隠されていることが明らかになる。この「真実」は、単なるプロットの捻りではなく、クレア自身の精神的な旅路と密接に結びついている。彼女が次第に、事故の記憶と向き合い、自身の内面に潜む痛みに触れていく過程は、非常に説得力がある。脚本は、観客にヒントを与えながらも、決して明確な答えをすぐに示さない。曖昧な会話、不穏な雰囲気、そして現実と幻覚の境界線が曖昧になる描写によって、観客はクレアと同じように混乱し、同時に「真実」を渇望する。この構造は、観客の能動的な参加を促し、物語への没入感を高める効果がある。
特に秀逸なのは、クライマックスにおける「真実」の提示方法だ。それは、突然の暴露ではなく、クレア自身の気づきとして描かれる。このことで、物語は単なるミステリーから、人間の魂の深い旅路へと昇華される。しかし、この「真実」が、一部の観客にとっては予測可能であったり、あるいは消化しきれないものであったりする可能性も否めない。これは、物語が提示するテーマの重さと、それが描かれる方法の繊細さゆえかもしれない。それでも、この脚本は、人間の心の複雑さ、死の受容、そして愛という普遍的なテーマを、ミステリーという器の中で見事に描き切った点で、非常に高い評価に値する。喪失の悲しみ、罪悪感、そして最終的な安寧へと向かうクレアの心の軌跡は、観客に深い共感と感動を与える。
本作の映像は、全体的に抑制された色彩と、やや暗いトーンで統一されており、クレアの心境を反映しているかのようだ。室内でのシーンが多く、閉鎖的な空間が、クレアの内面的な葛藤を強調する。美術は、クレアのカウンセリングルームや自宅など、登場人物の生活空間をリアルかつ細部にわたって作り込むことで、物語への没入感を高めている。特に、カウンセリングルームのセットは、心理的な緊張感を醸し出す上で効果的に機能している。衣装は、登場人物の個性を際立たせるものではなく、むしろ彼らの内面や状況を控えめに表現する役割を担っている。クレアの服装は、彼女の精神状態の変化に合わせて、わずかながらも変化が見られ、その心情の機微を視覚的に伝えている。
編集は、物語のテンポを慎重にコントロールし、観客がクレアの心理状態に寄り添えるよう配慮されている。特に、現実と回想、そして幻覚が混在するシーンでは、カットの切り替えが巧みに行われ、観客を混乱させつつも、物語の核心へと導く。緩やかなペースで物語が進行するが、重要な場面では、短いカットやクローズアップを効果的に用いることで、感情的なインパクトを高めている。しかし、時にその緩やかなテンポが、物語の中盤でやや間延びした印象を与える可能性もある。この緩急のバランスが、作品の独特な雰囲気と、観客が自ら物語の謎を解き明かす感覚に寄与している。
エドゥアルド・アラウージョによる音楽は、物語の心理的な側面を強くサポートしている。感情を煽り立てるような派手な音楽ではなく、登場人物の心情に寄り添うような、繊細で瞑想的なスコアが中心だ。特に、ピアノやストリングスを用いたメロディは、クレアの悲しみや孤独感を強調し、観客の感情移入を深める。音響もまた、物語の雰囲気を構築する上で重要な役割を果たしている。飛行機事故の回想シーンにおける断片的な音響や、クレアの幻覚における不穏な音は、観客に不安感を与え、物語のミステリー性を高めている。
作品 Passengers
監督 (作品の完成度) ロドリゴ・ガルシア 108.5×0.715 77.6
①脚本、脚色 ロニー・クリステンセン B+7.5×7
②主演 アン・ハサウェイB8×3
③助演 パトリック・ウィルソン B8×1
④撮影、視覚効果 イゴール・ジャデュー=リロ B8×1
⑤ 美術、衣装デザイン デビッド・ブリスビン B8×1
⑥編集 トム・ノーブル
⑦作曲、歌曲 エド・シェアマー B8×1
期待は低かったがまずまず。
アン・ハサウェイという女優はロボットみたいなので余り好きではないので期待していなかったし、脚本は相当強引だとも思うが、まずまず楽しめた。パトリック・ウィルソンが良かったし、短いのも良い。電車のシーンでオチは読めたが、パイロットに関しては読めなかった。
この不思議な映画は、二度観ないと気持ちが収まらないよね!
アン・ハサウェイは、非の打ち所がないプリンセスな俳優。本作では、航空機墜落事故で奇跡的に助かった人たちと向き合うセラピスト役で登場。人間心理を勉強しつくしたインテリの優等生だが、どうやらリアルでのお仕事は初めてのよう。
一回目は、あちこちの場面で違和感あるなあと気になりながら、航空会社の陰謀を暴くサスペンスと思い込んで観る。そして二回目はまったく違う視点で観ることになる。一回目は、脚本に難があるかなと感じたが、二回目は、その真逆の印象。ヘンな映画だよね。
興行的には振るわなかったとか、『シックス・センス』の二番煎じとか、確かにそういうところもあるのだろうけど、突発的な死をどう受け入れるかについていろいろ考えさせてくれた映画だった。
スピリチャル方面の知識は浅いけど、死に直面した普通の人々の様々な反応を通じて、《あちらの世界》と《こちらの世界》の間の《本人の自覚を待つ世界》というのも、あってもいいかなとも思った。エンディングもさり気によかったし、いつまでも記憶に残りそうな作品のような気がする。
あの映画
航空機事故で生き残った乗客5人のカウンセリングを担当することになったセラピストのクレア。そのうちの一人であるエリックは、個別カウンセリングを希望し口説いてくる。他の生存者は次々姿を見せなくなり、航空会社のアーキンは人的ミスの事故だったと言う。
あまり目立った作品ではないですが、アン・ハサウェイとデビッド・モースが出演しているので鑑賞。証言の食い違いや、生存者の失踪からサスペンスの様相。しかし真相は、全く思いもしなかったものでした。観た人の中には、あああの映画、と思い出す人が多いと思います。あの映画はもっと違和感が散りばめられていて、より面白かった。この作品では、物語が割と自然に展開して、真相は唐突過ぎた感があり惜しいと思います。
「口説くのはやめて」と言われても、知り合った以上この状況じゃ口説くよね。アン・ハサウェイの色んな表情が見れたのも良かった。
うっとりする
アン・ハサウェイの熱烈なファンではないけど、うっとりするほど美しい彼女の『叫ぶ声』を初めて聞いた気がする
これまでの出演作品の中ではなかったように思う
その意味では、自分的にはレアなシーンが、しかも何度もあった
映画を見終わってからタイトルの「パッセンジャーズ」の意味がしっくりときた
まさに「言い得て妙」だ
成仏できない霊魂が、現実世界に残り、さまようといった映画は多く観てきたが
これは斬新
ちゃんとハグも出来るし、エッチもするww
仕事もこなすし、生きている人間と同様の生活をする
足もあるし、冷たい海で泳ぐけれど、宙を浮遊はしない
なんと言っても人間に危害を加えない
突然消えたり、電車にひかれなかったりはしたけど
それは観る人に、あれ?って思わせる伏線としての演出
海水にどっぷり浸かったクレアの長い髪や服が一瞬にして乾いていたのも
ヒントだったのかなぁ
パッセンジャーズの登場の仕方が不気味ではあったね
言葉では伝えないんだね 本人が気がつくような登場方法で・・・
ヘンテコなルール!!!
人間誰しも 覚悟の上で死を迎える人はいない
いたとしてもほんの一握りだろう
死んだなんて認めたくない!! 信じたくない!!
そのやるせない想いをうまく表現していたと思う
パッセンジャーズ
「アザーズ」を観る前だったら★4
どうしても伏線の張り方やオチに至るまで比較して観てしまった。。
成仏できない人の心理を定義しているような作品ですね。
前半で臨床経験の少ない未熟なセラピスト役を丁寧に作り、そのもどかしさに航空会社の策謀を絡めるストーリーは、矛先を逸らす仕込みとしてはすごく良いです。
ってか、エリックってあの飛行機の中で恋愛が始まり、その相手との関係が現世の心残りで、恋を実らせることが成仏になるわけですよね?
そう考えて観ると冒頭から積極的にクレア(アン・ハサウェイ)を口説くのも納得。
ただお世辞にもハンサムとは言えない3枚目のハゲなので、「お前みたいなハゲにアン・ハサウェイが落ちるわけないだろw」と突っ込み入れながら観てたら、物語中盤...落ちとるやないかい!(怒)って何故かショックを受け悔しい気持ちになるっていうね。
しかもベッドインしたりして、死人のアクションとしては随分と何でもありな部類ですね..。
【”乗客名簿。”今作は、鑑賞前にネタバレサイトを見ると(というか、鑑賞前にネタバレサイトを見るかな?)魅力半減、見なければ予想の遥か斜め上を行く魅力ある映画である。】
■飛行機事故の生存者5人のセラピーを請け負ったクレア(アン・ハサウェイ)。
だが事故の新事実を口にした者は姿を消し、さらに自身は航空会社の者アーキン(デヴィッド・モース)に尾行され、不可思議な男性生存者エリック・クラーク(パトリック・ウィルソン)に言い寄られる。
真相を追えば追うほど深みにはまり、クレアは我を見失っていくが、エリックと一線を越えてしまう。
◆感想
・冒頭から、観客にトリッキーな映像を見せる少しズルイ映画である。
ー 墜落直後の飛行機の残骸の中をフラフラ歩く、エリックの姿。ー
・場面は一転して、僅かな生存者達にグループ・セラピーをするクレア。だが、参加していた人たちは、一人又一人と消えていく。
ー この辺りの描き方が巧いのであるが、”生存者達は、自分が既に死んでいる事に気付き、天に召されたのである。”-
・矢鱈と明るいエリックの姿に、最初は違和感を感じるが、ラストのエリックとクレアが墜落前の飛行機内で隣同士で交わした会話に納得する。
ー そして、お互いが既にこの世にはいないのに、それに気づかず、情を交わす二人の魂・・。-
・更に言えば、航空会社のデヴィッド・モース演じるアーキンが、クレアに付きまとう姿も、ラストの飛行機内の彼の姿を見ると納得する。
ー 彼は、操縦士がっだが副操縦士に捜査を任せた事で起こした事故に対し、深い後悔を持っていたのである。-
<今作は、世間的な評価は高くないが(矢張り、最初の見せ方かな。)私は、ヒューマンサスペンスの逸品ではないかなと思った作品である。
私の好きなテーマである”この世とあの世”を上手く描いた作品だと思ったからである。>
気付かせる色々な方法
事故後の話しなので、飛行機が墜落してパニックになるような映像的な刺激はないまま始まります。最初からミステリーと思って観ることにしました。
少し固い感じのアン・ハサウェイ。会話が噛み合わず四苦八苦。お誘いは困るんだろうけど、事務的な対応すぎて私だったら相談する気になれないな...カウンセラーってそんな感じでしたっけ?新米だからかな。
そして男はくどい。しかし、くどいには大きな理由がある。まぁこれが現実だったらナンパに困って担当者を代えるか注意されると思うけどな。そして近所のお節介おばさんも含め、会話がビミョ~にズレてるシーンばかりで正直つまらない。男が飛び降りるシーンは「バーディ」のラストみたい。しまいには自分にはない行動力に魅かれたのか関係もってしまう有様。真相を知りたいって気持ちよりイライラしながら観てました。
面倒な会話はうまく逸らす…よくある接し方ですが、それでも違和感が続き苦悩する主人公。
62分頃、空港で口論してたのに振り向いたら居ない・・・ここで主人公は実はどんな状態だったか気付く人もいるはず。そして70分頃の電車シーンで「なるほどね」この映画の演出に気付くでしょう。
インパクトあるシーンがなく、かつメリハリを弱くしたのは死者への気遣い...優しい演出なんだと思いたい。
アン・ハサウェイはまるで人形みたい。憧れる人・嫉妬する人と多いだろうなぁ。
一度目で意外な展開に驚かされ、二度目で納得・感動させられ、複数回楽しめる美味しい映画です
ロドリゴ・ガルシア監督(愛する人等)による2008年製作のアメリカ映画。
原題:Passengers、配給:ショウゲート。
最後の方まで全くこの展開は読めず、ただただビックリで、もう一度見直してみる展開となった。再見してみて、成程よく出来た、ヒトの本質的な希望を浮き彫りにした温かみを感じさせるストーリーの映画と感心させられた。
溝口監督の雨月物語という傑作映画を思い出した。あれは恋愛も知らずに死んでしまったお姫様が死にきれず幽霊となって、生きている男の主人公と関係を結ぶものであった。こちらは、心理学等学問ばかりの堅物で恋愛にも仕事にも臆病なアン・ハサウェイ演ずる女性が飛行機事故で亡くなったが、魂?は死にきれず、両方を体験しようとする物語であった。恋愛相手パトリック・ウィルソンも含めて、登場する人物すべてが既に死んでいる人間というのが、画期的というか大きな驚きの脚本であった。
ハサウエイが事故後の心理的カウンセリングを行い、恋のお相手でもあるウィルソンは証券会社に勤める仕事人間(部長)。ずっと絵を描きたいと思っていたがそれも叶わず飛行機事故で亡くなってしまう。その残念さゆえか、彼はハサウエイ訪問時に絵を描いていた。壁いっぱいに貼られた紙に、楽しそうに青い絵の具を塗りつける姿が何とも微笑ましい。
彼はハサウエイを積極的にくどいて、2人ともヘルメット無しでバイクに彼女を乗せて走行、更に夜の冬の海へボートを出す。ウイルソンは海の中へ飛び込んだが浮かび上がらず、心配したハサウエイも飛び込み、水の中で抱擁し、その日2人は結ばれる。再視聴で、ヘルメット無しや、冬の冷たい水中での抱擁に、きちんとヒントを示していたなと、納得がいく。
ハサウエイは、職業人として未熟なため上手くいかない部分もあるが、カウンセリングの仕事にとても熱心に取り組む。その美しさにはウイルソンでなくても目を奪われるが、男性に対しての臆病さ、カウンセリング相手と一線を超えてしまったと恩師に懺悔する等、生真面目さが上手く表現されていた。バットマンやアリス映画での彼女とは全く異なるタイプの主人公がそこにいて、素晴らしい女優だと再認識させられた。
また、再見で初めて気がついたが、身につけている衣装は喪服の様な黒基調のものばかり。それがまた、とても似合い、目や口が大きすぎて正統派美人とは思えない彼女の美しさをとても良く引き立てていた。
ウイルソンが自分の状態に気が付いていくプロセスは、実に興味深く描かれていた。何度も登場するイヌは、昔飼っていて死んだイヌにそっくり。高いところから飛び降りてもへっちゃら。道に飛び出しても、車は衝突寸前に止まり。半信半疑で、線路上に出てみても列車は彼を跳ね飛ばさない。それで、ようやく彼は自分が死んでしまっていたことに気づく。そして、思い出す。墜落した飛行機の隣席にハサウエイが座っていて、楽しく会話して姉妹の存在も聞いていて、再会の約束をしたことを。こうして、2人は死後に再会することになった。
何とも切ない展開で、2人の思いに心をうたれる。
ハサウエイは心残りだった恋愛と仕事両方を体験でき、かなり安心して?旅立てわけであるが、ずっと気にしていた姉との仲違いの解消は、死んでしまったヒトと生きている人間は交流出来ないというお約束ごと?のために、果たせなかった。映画はラスト、姉が彼女の部屋で、残っていた手紙を読むことで、その仲違いを解消する。とても優しい気遣いの有る優れた脚本と感嘆・感動させられた。
製作ケリー・セリグ、マシュー・ローズ ジャド・ペイン、ジュリー・リン、製作総指揮ジョー・ドレイク、ネイサン・カヘイン。
脚本ロニー・クリステンセン(ドクター・エクソシスト等)、撮影イゴール・ジャデュー=リロ。
美術デビッド・ブリスビン、編集トム・ノーブル、音楽エド・シェアマー。
アン・ハサウェイ(クレア・サマーズ)、パトリック・ウィルソン(エリック・クラーク)、デビッド・モース(アーキン)、アンドレ・ブラウ(アーペリー)、クレア・デュバル(シャノン)、ダイアン・ウィースト(トニ)。
いやぁ~、騙された!
いやぁ~、騙された!!
アン・ハサウェイ主演のサスペンス映画というので観てみたら、まんまと騙される映画だった。映画で騙されるのは楽しい…(笑)
映画紹介には「セラピストの女性が、旅客機の墜落事故で奇跡の生還を遂げた5人のカウンセリングに当たる。しかし事故に関する証言は、航空会社による公式発表と食い違っていた。真相に迫る彼女はやがて、自身が陰謀に巻き込まれていることに気づく…」などと書かれていて、このセラピスト女性がアン・ハサウェイ。
そして、一人の生存者男性が、彼女にアタックして…という恋愛的な面もある。
航空機事故の陰謀ものに見えたり、恋愛映画に見えたり、サスペンスっぽく見えたりして、気軽に楽しめる娯楽作。
観終わって、ミステリー映画好きには既視感をおぼえる映画ではあるものの、尺もさほど長くないので、「ちょっと気軽に映画が観たい…」という時に観るには良いかも知れない。
存在
航空機事故直後から始まる。なかなか斬新。 生存者のセラピストとなる...
当事者と傍観者
生存者5名の飛行機事故が起きる。
セラピストのクレアは、生存者の心のケアのため真実に近づこうとするが、誰かに尾行されていたり生存者が次々と消えていったりと不可解なことが起こり続ける。
飛行機事故の原因とは?航空会社は何を隠そうとしているのか?
アン・ハサウェイが出てるからという軽い理由で鑑賞。
セラピストのクレアが航空会社の不正を暴く!的な映画だと思っていました。
正直、ラスト以外はずっとイマイチで、何が伝えたいのか分からず、イライラと退屈ですぐにでも観るのを辞めたかった。
ストーリーにも入り込めず集中して観れない。何だこれ?
「久しぶりに自分に合わない映画引いちゃったな」と思っていたら、ラストのあの瞬間で一気に視点が180℃回転した。
なんだ〜、そういう話かぁ。そうなら早く言ってよぉ〜。
それならば、無駄に長いラブシーンも謎の登場人物たちも納得ですわ。
でもさ、もう少しヒントくれないと。
自分がしっかり観てなかったからなのかもしれないけど、危うくリタイアするとこだったよ。
最後に詰め込みすぎなんだよね。
もう一度観たいとは思わないけど、あくまでも飛行機事故についての物語。
最後は少しうるっときてしまったし、何よりはじめは微妙だったアン・ハサウェイが、最後はいつものように輝いていたのが良かったわ。
患者が消えていくミステリー
全101件中、1~20件目を表示