真夏のオリオンのレビュー・感想・評価
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時代を超えた「オリオンよ、愛する人のために平和な地球となるよう導け!」と語り続けていく名作です!
戦争物としては、意外に感動作で、試写会でも大きな拍手に包まれました。とかく海洋戦争ものは、艦隊同士の派手な戦闘を扱うものが多いのですが、本作は日本海軍の最後の防衛作戦で唯一生き残った潜水艦とその潜水艦に目をつけ、命令を無視してまで単艦で戦いを挑むアメリカ駆逐艦の1対1の攻防を描いた作品です。
日本は5隻の潜水艦で、防衛ラインを敷いて、アメリカの補給ラインを担う燃料輸送船の襲撃を試みます。最後のしんがりを担うイ-77は、13隻もの敵艦轟沈の実績がありました。対する駆逐艦パーシバルも知将マイク艦長の指揮のもと、数々の日本海軍の潜水艦を轟沈してきた実績があり、今回の作戦でも日本海軍の防衛ラインを敷いた潜水艦隊5隻のうちすでに4隻は、沈めていたのです。
そのうちの1隻のイ-81の有沢艦長と主人公であるイ-77倉本艦長とは、同期で親友の関係でした。倉本艦長の敵がとりたいという有沢と13隻もの僚艦を犠牲にされた潜水艦を絶対に沈めるとムキになるマイク艦長と有沢艦長が遭遇し、知力と気力の限りを尽くしたバトルを展開するのは、宿命ではなかったかと思います。
その戦い方は、お互いの裏の裏を読みあうすごくスリリングなものでした。下手に動くと裏をかかれるので、イ-77はエンジンを切り息を潜めます。しかし、マイク艦長執念はすさまじく、イ-77がしびれを切らして浮上するところをじっと待ちます。互いギリギリの我慢比べの表情がすごく伝わってくるエピソードの数々でした。
さらにイ-77は出撃以来魚雷を撃ち尽くして、泣いても笑ってもあと一本しかなく、艦の故障で魚雷攻撃のために一度浮上すると、二度と潜行できなくなっていました。まさに一発の勝負となる作戦は、舞の海でも驚くであろう「ネコだまし」のような想像つかない作戦。イ-77を空前絶後に追い込んだ展開は、クライマリーパニックとしても見所充分でした。
そして、この物語の最大の魅力は、バトルだけでなく、ふたりの艦長に芽生える熱い友情にあります。互いが誇り高き軍人だけに、互いの作戦能力の高さを認め合い、尊敬すら感じていたのです。けれども戦闘しあっていた両艦の艦長の間にどんなきっかけで友情を感じさせるきっかけがあったのでしょうか。
ヒントは、両艦の戦闘が終戦ギリギリのタイミングで行われていたこと。そして有沢艦長の妹で倉本艦長の妻となる志津子が作曲した『真夏のオリオン』という曲に添えられた志津子のメッセージがふたりを結びつける縁を作りました。
志津子がお守りとともに倉本艦長に手渡した『真夏のオリオン』の楽譜は、数奇な運命のもとに敵艦マイク艦長のもとに渡ります。志津子のメッセージのなかで『オリオンよ、愛する人を導け』という一節は、敵味方を超えて、船乗りの心を捕らえる言葉となったのです。それは志津子の倉本に対する思いを、オリオンの輝きに託したものでした。
マイク艦長が海上に浮上してなすすべも失ったイ-77にこの一節を信号として発信したとき、倉本艦長が胸を打たれる姿に感動しました。
冬の星座の代名詞であるオリオン座が、真夏に海上から見えるのは夜明け前のほんのひとときだけ。真夏にオリオンを見つければ、それはこの上もない吉兆だと船乗りの間では語りつながれていたのです。
前出のシーンの前振りとして、発進時に艦上で倉本艦長たちが見つめる真夏のオリオンが、ずっとクルーを見守っている映像も素敵でしたね。
そして『真夏のオリオン』の楽譜は、マイク艦長の家族に受け継がれていき、マイク艦長の孫が、倉本艦長の孫に当たる倉本いずみ宛に手紙で送ったところから、冒頭のいずみが唯一のイ-77存命者・鈴木を訪ねるシーンに繋がります。
『真夏のオリオン』の楽譜は、長い旅を経て、日本に戻ってきました。それは時代を超えて私たちを、「オリオンよ、愛する人のために平和な地球となるよう導け!」と語り続けていたような気になりました。
玉木の最初かっこよすぎるトレンディ俳優のような出で立ちに違和感は感じました。けれども海軍ボーイとしてのスマートさと乗組員を家族の一員として、最後まで回天の玉砕出撃を許さなかったところや戦闘中でも構わず飯だぁという人間味に次第に共感していったのです。そんな艦内のエピソードの数々は、当時のイ-58号橋本艦長を取材した実話によるものなのだそうです。橋本艦長の人柄が玉木に乗り移って、観ているものの心をぐんぐん掴んでいく要因になったのだろうと思います。
また、イ-77の艦内は、計器やパイプの一つまで細部に再現された巨大なスタジオセットによるもの。そして駆逐艦も第二次大戦中実際にアメリカ海軍活躍した保存艦でロケを行い、航行シーンでは現在でも現役で稼働している駆逐艦をメキシコ海軍の協力で撮影したものを使っています。本物でしか味わえないリアルさへのこだわりがいいですね。
ステキな映画です!!
戦争映画というと最初抵抗がありましたが、実際観てみると、そんな食わず嫌いが嘘のように、感動して泣いてしまいました。
女性にもぜひオススメな映画だと思います。
過酷な中での人と人とのつながりや、船員たちの温かさや、温かい表情、特に玉木宏さんの温かい笑顔に感動しました。
生きることに前向きになれる映画です。
みなさんもこの感動を映画館で味わってください。
自分でも友達を誘って何回も観に行きます。
あんな表情を見た事がなかった
戦争を知らない玉木くんが最後に敵の艦長と対峙した時の表情が印象に残っています。戦争映画は嫌いです!玉木くんのおかげで久しぶりに見ました。終戦間近、限られた環境のなかで必死に戦った人達がいたことを再認識しました。
潜水艦のシーンでは、息苦しくなるような感じがして、爆雷を受けたときなどは身がすくみました。ポーンというソナーの音が怖かった。あの感覚は大きなスクリーンならではでしょうね。また、見に行きます。
忘れられない映画に
過酷な状況下、見えない敵を相手に冷静沈着に判断し「もったいないじゃないか」という言葉を何度も口にし、生きることをあきらめずに戦う倉本艦長。潜航する潜水艦の中、ともすると不安、恐怖、絶望に押しつぶされそうになる部下のモチベーションをさまざまな切り口で高め、未来を信じて率いていく艦長役を玉木宏さんが好演しています。良い考えが浮かばない時、まずは「飯を食おう」と言い、最年少水兵にハーモニカを吹かせて艦内の緊張を解き、命令口調ではない言葉づかいなのにおのずと部下が従い、全力を尽くそうとする的確な司令・・・人間味あふれ、凛とした精神を持った艦長がスクリーンの中にいました。
人間の質
倉本艦長の穏やかな優しさ、品格は憧れです。
人間とはこうでなくっちゃ。
戦争映画が苦手な女性にもお勧めです。
玉木宏氏はお茶目な役、ドジな役もかわいいですが、
この品格もとてもぴったりな人物です!!
今までの
戦争映画という常識を覆された映画。
戦時中、国のために命をかけて戦うのは
当たり前なはずなのに、
人の命の大切さ、人との絆が大事!
人間としての誇り、人間としてお互い尊重しあう
なにより「生きる」っていうことに重きをおいた映画でした。
そして今の世の中でも、
こういう倉本艦長みたいな人が上に立つ人だったら…
なんて見終わった後は、色々と考えさせられた作品でした。
後は、戦争映画が苦手な人が見ても、
そんなイヤな思いをしないで見れたので苦手な人にもオススメです。
とにかく良いです
戦争映画だと思って構えて観たんですが、いい方に期待を裏切られました。
見終わった後になぜか、(不謹慎かもしれませんが)爽やかな気持ちになれます。
とにかく艦長の倉本孝行(玉木宏)が素晴らしい人物なんです。こんな上司になら、死んでもついていきたいと思わせてくれます。
会社で“長”がつく役職についている方々には特に見て頂きたい作品です。
これ系の映画が好き
戦争映画なので、言い方は不謹慎かもしれませんが、潜水艦ものって好きです。
ローレライとか、出口のない海とか。
回天とか、考えさせられるテーマもありますが、真夏のオリオンは、少しロマンチックな感じで、生きてることの奇跡を教えてくれます。
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