「私、お金になるんですね」ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
私、お金になるんですね
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映画「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」(根岸吉太郎監督)から。
[原作]太宰治とあって、ちょっと迷ったが、(汗)
大好きな「松たか子さん、広末涼子さん」の共演とあって、
1度にふたりが観れるなんて最高・・とミーハー感覚で観てしまった。
気になる一言は、物語とはあまり関係ない、単なるつぶやき。
夫の借金を返すために小料理・椿屋で働き始めた佐知(松たか子役)は、
あっという間にお店の人気者になり、チップを大勢にいただく。
(たぶん、私でもチップをやりたくなるな、きっと(笑))
2歳になる子どもの病気治療代もない貧しい暮らしと比べたら、
その世界は、驚きの世界だったに違いない。
あまりのチップの多さに、思わず口にした台詞が
「私、お金になるんですね」
実は、この台詞、原作は短編ということもあって、
読み直してみたが掲載されていないが、妙に、耳に残った。
以前、働いた経験があるような人物設定だったが、
人の役に立って、お金がもらえて、人気者になった彼女の台詞は、
「労働の意義」を表しているようにも感じる。
この世の中に、自分の存在感を意識したシーンだった気がする。
出番は少なかったが、広末涼子さんの演技にも、魅了された。
「おくりびと」の妻役から、ひと回り大きくなった彼女。
これからの活躍が、目に浮かぶようだ。楽しみである。
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