「全ては夫婦のスパイス」ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ 鯨さんの映画レビュー(感想・評価)
全ては夫婦のスパイス
クリックして本文を読む
松たか子の真面目な妻と、才能ある小説家なのに家庭をまるで顧みないヒモ夫の浅野忠信。
夫は生きることより死ぬことに価値を見出し、妻は妻で夫が頼りにならない分自立していく。
妻が自立すればするほど、夫は妬き、
離れ離れになる2人で、もう別れちゃえばいいじゃんと思ったりするんだけど
妻は夫を思っている。それは情なのかもしれないけど。
夫は外に女がいたり心中してみたり、でも結局は妻と離れられない。
外で散々好き放題出来るのは、地に足ついた妻のおかげか。
結局周りが横やりを入れようと、全ては夫婦のスパイスなんだなぁと。
ヤキモチを妬く夫も、妻に言いよる男たちも、結局は脇役に過ぎなくて、
松たか子の芯のある演技とか、浅野忠信の一見筋の通らないふらふらさも、うまく調和していてとても好きだった。
三鷹から武蔵小金井まで1時間歩く妻夫木聡も、なんというかリアリティがあって、
こういう夫婦のあり方みたいなものを感じた。
こうはなりたくないけど少し憧れる、みたいな、相反する気持ちをうまくバランスとっているような。
表面ではなくて心の中で繋がっている、繋がせている、夫婦の形とか愛って表現したらこんな感じなんかなぁと思わせる映画。
コメントする