「頼りないバットマンに代わってアルフレッドが大活躍…みたいな一風変わったヒーロー映画」グリーン・ホーネット 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
頼りないバットマンに代わってアルフレッドが大活躍…みたいな一風変わったヒーロー映画
往年のTVシリーズの映画化。
新聞社の御曹司ブリット=グリーン・ホーネットと運転手で発明家の相棒カトーが、街を牛耳る悪と戦う。
TVシリーズではカトーにかのブルース・リーが扮し、出世作としても知られる。
大富豪が悪と戦う…という設定は「バットマン」や「アイアンマン」のようにヒーロー映画ではよくあるが、その設定をパロディのように皮肉る。
本来ヒーローであるはずのブリットが、弱い。情けない。ノーテンキな道楽者。
代わって活躍するのがカトー。類い希な戦闘能力と数々の発明で危機を乗り越える。
言わば、頼りないバットマンに代わってアルフレッドが大活躍…という感じだ。
へっぽこ御曹司と東洋人という組み合わせ、自分たちを悪人に仕立て上げて悪を制し、果ては美人秘書を巡って大喧嘩…ユニークなアンチ・アメリカンヒーロー像。
父に反発し、思い付きで始めたヒーロー行為が思わぬ波紋を呼ぶ。検事の不正と犯罪組織の膨張…。
そんな中で父の死の真相と真意を知り、本当の正義に目覚める。
そして頼れるは、相棒の存在。
最後はヒーロー映画の醍醐味もきちんと織り込む。
異色のヒーローの活躍を楽しむべきの娯楽作。
惜しまれるは、監督ミシェル・ゴンドリーの独特のセンスが薄く、クリストフ・ヴァルツのタイプキャストのような悪役、ダラダラ長いラストのアクション、もうちょっとレトロ感を出して欲しかった…という点。
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