劇場公開日 2011年2月25日

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「ナルニアの海は一味違う!」ナルニア国物語 第3章:アスラン王と魔法の島 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ナルニアの海は一味違う!

2011年2月27日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

正直に言うと、『第3章』の制作発表を聞いた時は『あぁまだやるんだ』
くらいにしか思わなかった。
『第7章』まで楽しみにしている方々には申し訳ないが、1、2作目が僕には
あまりパッとしない出来だったもので……。

しかし今回は監督が交代。
監督が変われば映画も変わる。
思えば『ハリポタ』を初めて面白いと思えたのも、監督が交代した3作目だったし。

で、結論から言うと——良い!
個人的にはシリーズで一番楽しかった!

ナルニアの海を脅かす謎の“緑の霧”を晴らす為、ペベンシー兄弟の
次女ルーシーと次男エドマンド、その従兄弟のユースチス(新登場)、そして
逞しく成長したカスピアン王が活躍。
未知の島々を巡り、全て揃えると絶大な魔力を発揮するという7本の剣を集め、
邪悪な“緑の霧”を倒すのだ——

まるで大作RPGみたいなワクワクする話だが、2、3時間の映画で描く内容
としては危険ですよね。内容が盛り沢山過ぎて、キャラ描写もドラマも
中途半端になり兼ねない。

実際本作も、やはり話がトントン拍子で進み過ぎるきらいはあるし、
“霧”は結局何だったのかとか、主人公らの“欲望”の描き方とか、数多のサブキャラとか、
物語に食い足りない所はある。

が!
ナルニアの海は本当に美しく、そして驚きの連続。
廃墟の島、透明怪獣の島、黄金の島、“青い星”の島、そして“くらやみ島”……
島を巡る度に登場する不可思議なナルニアの姿は楽しいし、
最後のあの怪物との対決もクライマックスに相応しい迫力。
しかもかなり気色悪いクリーチャーデザイン! ギャー、脚があんなに沢山!

ドラマとしても、
ルーシーとエドマンドが成長したが故の欲望と向き合う展開が面白い。
そしてユースチス。
前半はイライラすること必至のガキんちょで、絶対こんな奴好きになれんなぁ
と思っていたのだが、これがだんだん応援したくなってくるんですよ。
なにより、世界一勇敢なネズミ・リーピチープとの友情が泣ける。

最後のナルニア国との別れのシーンなんて、もう泣けて泣けて……。
前作まではここまで泣いた覚え、無いんだけどなあ。
僕の涙腺が異常に弱くなっただけかな?
映画が終わってしまうのが残念でしようが無かった。

驚いて笑って泣いて、蓋を開けてみればシリーズ最短の112分!
次はどんなナルニアが観られるか?
シリーズを最後まで見届けたいという気になりました。

<2011/2/26鑑賞>

浮遊きびなご