劇場公開日 2009年2月21日

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「自分を突き動かすもの」7つの贈り物 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分を突き動かすもの

2013年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )

 彼の行動の是非はどうでもいい。そもそも社会制度や倫理観を扱った作品ではないだろう。人の一生を変えてしまうほどの強烈な出来事って時にはあるものだ。一度そうなってしまったら今までの価値観がまるで変ってしまって生き方も変わってしまって、過去の常識や社会一般の常識では測れない新しい自分がいる。
 臓器コーディネーターとか社会制度を無視して計画通りに綺麗に運ぶのは現実的な話とは言い難いし、彼の行動を自分勝手な自己満足だと言うことは簡単だが、そんな男が自分の命と人生をどう使うかを自分で決めたいと思うのはよくわかるし、それがわかるような演出であった。彼にはそうせざる得ない彼の全てを変えた極めて強い心的外傷があるし、それはもう理屈や常識でどうこう出来るものではないのだ。
 そうなってしまった現実の人の話を聞いたことがあるし、これに比べれば遥かに小さいことだがちょっとくらい価値観を変えてしまったことくらいは自分にもあるから理解できる。そのあたりは「チョコレート」で主演のビリー・ボブ・ソーントンにも似ている。

 人生を変えるほどの贈り物だか何とか言っているから、最初は宇宙人とか神とかが出てくる超常現象で人を救うとか何かをする話かと思ったが、全く違っていたしそれはむしろ良かった。弟の家から持って行ったものが何かとか、ちょっと物語と設定は解り辛い部分があった。簡単に必要な情報も集められるようだし現実的とは言えないかもしれない。でもここで描きたいのはウィル・スミスの湧き上がる気持ちと決意とだから、それがはっきりとしていればそれで十分。

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Cape God