「ロス疑惑」長い長い殺人 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ロス疑惑
マスコミは保険金目当ての殺人事件が大好物。劇場型犯罪として警察よりも先んじて報道を始めて、我が正義だと言わんばかり。そうした世の中の現象を皮肉ったような内容に加えて登場人物の財布が語り部だというユニークな設定という点では興味深いところが多い。
ただ、残念なことに財布の語りが全く活かされてないばかりか、登場人物の多さに混乱さえしてしまう。原作は読んだことがないのでわかりませんが、宮部みゆき作品ならば絶妙な描写で感銘を受けたに違いない・・・数作しか読んだことないのですが、詳細な場面設定や人物描写にはミステリーらしからぬほど筆が立っているからだ。
擬人化された財布ならば、もっと感情を込めてもいいのではないのか・・・少年の財布でそう感じた。刑事の財布は主人の病気まで知っていたのだから、不良中学生に盗られた財布君なら自分の運命も感じ取ったはずなのに。ブレスレットを入れられた財布さんも何か気づいてたはず。なんだか一貫性がないなぁ。
台詞はほぼアフレコ。内容は聞き取りやすいけど、映画っぽくないのが難点か。原作は面白そうだな・・・としか言いようがない。
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