「銀行強盗」バンク・ジョブ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
銀行強盗
実際に起こったロンドン・ベイカー街のロイズ銀行貸金庫強奪事件。大きなニュースだったにもかかわらず、次第に報道されなくなった。英国史上数回しか発令されたことのないD通告(国防機密報道禁止令)による報道規制があったためとされている。
妻子ある中古車ディーラーのテリー(ステイサム)はマルティーヌ(バロウズ)の誘いに簡単に乗ってしまう。警備システムの交換のため1週間の無警備状態になる隙を狙い、2軒隣から地下にトンネルを掘るという計画だ。各方面のプロを含めた7人の仲間が集まった。一方、王室のスキャンダル写真を撮った、マルコムXを信奉する男マイケルXは警察から睨まれていた。また、テリーを付け回す借金取りも現場に張り付いていた。
マルティーヌの目的は違っていた。マイケルXを失脚させるため、写真を奪取しようとしていたのだ。金庫破りもそう簡単にはいかないもの。アマチュア無線家が通信を傍受し、警察へ連絡。どこの銀行かは特定できなかったが、徐々に追い詰めていった。
三つ巴どころではなかった!銀行の貸金庫を使ってるヤツは裏社会の人間も多い。諜報部員MI-5だかMI-6だかよくわからないがティム(リンターン)が麻薬密輸の容疑者マルティーヌに無罪放免するために計画させたこと。ティムにとっては王室のスキャンダル写真を奪うことでマイケルX(ピーター・デ・ジャージー)を失脚させるだけだったが、その他にも貴族や下院議員の写真があったり、ポルノ監督ヴォーゲル(デヴィッド・スーシェ)の汚職警官の賄賂台帳があったのだ。とにかく、命を狙われるテリーの仲間たち。銀行強奪が上手くいったのに苦難の道は続くのだ。そして、最終的に取った手段が、ティム、ヴォーゲル、そして警察にそれぞれ同じ場所で取引することだった。
登場人物も多く、展開も早い。人間関係を速やかに把握しないと置いてけぼりにされそうな内容だけど、後半はかなりスリリング。ヴォーゲルに殺されたデイヴ、何者かに殺されたガイとバンバス。悲劇もあったが、残りの仲間は無事で、いったん警察に捕まりかけたが、ティムの配慮か、即座に釈放。テリー家族は海外でクルージングを楽しんでいた・・・
ケヴィン(スティーヴン・キャンベル・ムーア)とマルティーヌは4回中華を食べ、1回セックスしたという間柄。テリーとの関係も怪しかったが何ともなかった模様。しかし、そうした恋愛関係まで織り交ぜるなんて、欲張りすぎだ・・・