「後処理は誰が?」ミッドナイト・ミート・トレイン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
後処理は誰が?
イギリス産のホラー映画、「0:34」と設定がカブる本作は、北村龍平監督のハリウッド処女作だ。日本未公開だったが、彼のユーモラスとも取れるスプラッタ描写が楽しめる作品である。
暴漢魔に襲われた日本人女性が失踪を遂げた事から、奇妙な事件へと巻き込まれていくサスペンス仕立てのストーリーであり、スリリングな展開が用意されている。殺人鬼の風貌も至って普通であるからこそ、得体の知れない恐怖を感じることが出来るのである。
主人公が写真家という事もあり、現像するシーン等が多く描かれるため、てっきり写真にまつわる事で意外な正体が暴かれていく物語なのかと思っていたが、終盤で予想を遥かに越える展開が用意されている。この手のスプラッタホラーだとある程度は決まったような展開であり、正直ストーリーはあって無いような物であるが、あっと驚く展開を用意してくれているのは中々感心させられた。正直ツッコミどころは多く、日々一般客が利用している地下鉄を血祭りに仕立て、更には散々破壊の限りを尽くすのである。これを始発までに直すのかと考えると不思議で仕方ない。面白い位に血飛沫が飛ぶのだが、その描写の度に後片付けの事を考えてしまう。
サスペンス仕立てのストーリーの割には話がチープな気もするが、気持ち良い位の派手なスプラッタ描写で夏の暑さも吹っ飛ぶ事だろう。
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