劇場公開日 2008年8月30日

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「かわいいけれど、2時間のドラマとして編集してほしかったです。そうだよねぇ『アース』のシロクマくん!」パンダフルライフ 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5かわいいけれど、2時間のドラマとして編集してほしかったです。そうだよねぇ『アース』のシロクマくん!

2008年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ドキュメンタリーとして、パンダの映像はかわいいです。特に小パンダのお茶目な仕草なんて、思わず頬が緩んでしまいました(#^.^#)
 それでもやっぱり2時間の劇場映画にするのに、ただ愛らしいパンダがいっぱい写っている映像だけでは、もの足りませんね。

 もちろんいろいろ工夫はしています。
 ドキュメンタリーと思っていたら、冒頭のパンダの800万年という長い時間の進化の中で、どうして肉食がササ食に変わったのかが紹介されています。
 またパンダの子育てや群れを作らない事情など、うんちくも豊富に盛り込まれて、これ一本でパンダ博士になれそうな内容です。
 そしても救いなのが、赤ちゃんパンダの成長ぶり。1年かけて密着するドキュメントの中で、手のひらくらいの赤ちゃんパンダがまるまる太った子パンダに成長する変化の差が大きく、その成長物語としては楽しめました。
 但し動物ドキュメンタリーとして、「北極のナヌー」と「アース」と比べると、ストーリーラインがまとまっていません。
 交尾(セックスシーンもばっちりありましたよ)→出産→育児→子別れと一通りの素材はあったのもの、一つのエピソードとしてバラバラであり「アース」のようなむ一貫したストーリーにはなっていないところは、もう少し工夫があっていいものと思います。

 それでも、子別れのシーンはグッと胸に迫るものがありました。
 いつまでも子育てにかまけていると、パンダのお母さんは女としての情を失ってしまうそうです。それでは、パンダの繁殖に大問題です。しかもパンダの発情は毎年初夏の3日間限定なのです。
 お見合いも、情事も一発勝負。それを逃すと子を宿すチャンスを失ってしまいます。そこでかわいそうだけども、発情のために無理矢理子供を引き離してしまうのです。

 子供を奪われたパンダのお母さんはしばらくは茫然自失。精神的にショックを受けて、うずくまる姿に泣けてきました(:_;)でも1週間すればケロリと忘れてしまい、新しいフィアンセを売れ入れる状態になってくのだそうでご安心を!

 動物好き方には、お勧めですね。
 小地蔵的には、かわいさでは来週見るグーグー(子猫ちゃん)に軍配をあげたいです。

流山の小地蔵