劇場公開日 2009年1月10日

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「エキノコックス!」きつねと私の12か月 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0エキノコックス!

2019年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 「アルプスの少女ハイジ」を思い出すくらい、怖いもの知らずの超自然児!といった感じの10歳の少女リラ(ブリュノー)。さすがに狼に出会ったときには逃げてしまい、骨折まで負ってしまったが、“山の親父”と呼んでいた熊に遭遇してもビビらない少女。キツネの本も買ってもらい、生態も学んだうえで捜し歩き、徐々に近づいてゆくことに成功。夏になると、きつねをティトゥと名付け、一緒に遊んだりした。ある日、一緒に鍾乳洞に入って歩くうちに夜になり遭難してしまった。

 アルプスのふもと。野山を駆け回るリラ。数多くの動物が登場するし、前半ではドキュメンタリーに小さなストーリーを挿入しただけと感じたが、手を振れるまでになると、さすがに『皇帝ペンギン』のリュック・ジャケ監督は作り方がうますぎると言わざるを得ない。そして、ティトゥが狼に襲われるというシーンでは、見る者の心を揺さぶり続ける・・・

 夏休みの終盤、リラはティトゥを自分の家に招待する。おっかなびっくりのティトゥはそろりそろりと2階にあるリラの部屋へ。扉をしめると急に息苦しくなったティトゥは部屋の中で暴れまくり、最後にはガラス窓へと飛び込んで行った・・・死んだ?

 室内犬でさえも見知らぬ密室に連れ込まれると情緒不安定となる。キツネは所詮、人間のペットにはできない動物なのだ。結局は死ななかったティトゥだったが、その事件以来、リラの前に姿を現わすことはなかった。

 大人になったリラが息子にお話を聞かせてあげてるといった設定。きつねは人間のペットにはできないと教えてあげるのだ。日本では『キタキツネ物語』、『きつね』、『子ぎつねヘレン』なんて作品もあって、エキノコックスの怖さを教えてくれるのだが、可愛いからと言ってむやみにペットにはできないもんなのだな・・・きつねに限らず。

kossy