「不思議とあたたかい気持ちに。」ベンジャミン・バトン 数奇な人生 love-n-hateさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議とあたたかい気持ちに。
クリックして本文を読む
始まりは老いたデイジーに纏わるものだけれど、
ベンジャミンの人生の始まりから描かれる訳で
老いた状態から始まるっていうのは何だか
「絶望だなぁ・・」なんて思ったりもしたのだけど。
女は「歳を取りたくない」とか言うけれど、
実際は逆行する人生なんて残酷過ぎる。
老人から始まるベンジャミンが幼少になっていくまで
よくもまぁあんなに自然に描けたものだとも思う。
その逆行していく数奇な人生の中でも
いくつかの恋愛や経験をして・・
きっとその外見や運動能力の差故の苦い経験こそあれ、
老いて死にゆくのも、若返りながら死にゆくのも
然程変わり無い様にも思えた、途中までは。
家庭を築く時、生涯の伴侶や自分の子供が出来た時、
その差はあまりにも残酷だった。
逆行する時計で生きるベンジャミンと
私達の普通である時間軸で生きるデイジーの人生が
上手く絡み合いながら終わっていく様が本当に美しかった。
逆行する時計が沈みゆくシーンがあるけれど、
愛に満たされて沈んでいく様な
ベンジャミンの人生そのものを表している様な
そんな気がした。
時計職人の悲しみから生まれた『逆行する時計』。
人間誰しもが後悔をする度に
「時が戻ればいいのに・・」と願うけれど。
もし、本当に時間が戻っていったら・・・
『大きなのっぽの古時計』ではないけれど、
そんな数奇な一生を時計を用いて上手く描いていた。
決してハッピーエンドとは言いきれないけれど、
見終えた後にほっと心が温かくなるような映画でした。
コメントする