「『ガンプ』を連想せずにはいられない」ベンジャミン・バトン 数奇な人生 The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)
『ガンプ』を連想せずにはいられない
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短編小説を脚色して若返る男と老いる女のラブストーリーにするというのは映画的に面白いアイデア。しかし、エリック・ロスともあろう人が自作『ガンプ』の上塗りをしちゃあいけない。あの作品を思い出すような場面が多すぎるのだ。その上、ハリケーン、机の下、といった使えそうな素材を使うこともなく、どうも密度が薄い。
フィンチャー、『ゾディアック』では熟成を感じたが、この作品では大人しすぎる。どちらかというとプロデューサーのケネディ&マーシャルの色の方が強い。古いフィルムの再現なんかカユくてつまらない小技も目立つが、所々に笑いを入れてるところや、高揚と無縁の演出に徹したところは評価はしたい。
ブラッド・ピットの演技は結構CG込みで目を惹くほどの芝居はなかった。タラジ・ヘンソンも『ハッスル&フロウ』の方が2倍良い。正直、オスカー候補としては全然物足りない。ジェイソン・フレミングは良かった。
と、色々物足りないところは多いが、撮影・美術を含めて総合的にはオスカー作品賞候補には相応しい大作と言えよう。
しかし、CG凄すぎ。でも、ケイトのしわ隠しや歩く老バトンまで丸々CGとは・・・これでほんとに良いのか複雑な気分になる。
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