「進化し続けるピクサー」カールじいさんの空飛ぶ家 77さんの映画レビュー(感想・評価)
進化し続けるピクサー
良かった〜。
久しぶりにピクサー作品を観たのですがCGアニメーションの良さを再確認。
本当に細かいところまでこだわりを持って作っているなというアニメーター達のプライドや愛が伝わってきて、
今もなお現状に甘んじず貪欲に成長し続ける姿勢こそピクサーが世界の第一線で活躍し続けられる理由なんだと思いました。
素晴らしい技術面にひけを取らないストーリーもさすがで、
あの涙腺にくる予告をいい意味で裏切られ続けられて、楽しくて笑える、でもやっぱり泣ける作品。
まず重きを置くと思ってた妻(活発なのも意外でしたw)との思い出は意外にも殆どセリフもないダイジェストな演出。
だけどこれがすごくいい。
長い物語の中のそこのページを選ぶかっていう絶妙な選択に“健やかなる時も病める時も”二人で共に過ごしてきた夫婦の歴史の重みや絆の深さを思い知らされて。
ただの1人と1人じゃなくって同じ空気を発するあの感じは血の繋がった親子にも兄弟にもだせない、まさに長年連れ添った「夫婦」特有のものだと思います。
愛する人と一緒に年齢を重ねられるって素晴らしいことですね。
すっかり感情移入してw、あの誰もが夢みたことのある風船での出発シーンは本当に圧巻で最高にわくわく。
回想はすぐ終わったから道中の空の旅がメインなのかな?と思ったら目的地にもすぐ着いてここまでで30分くらい。
ここからは予告からは想像もつかない話の連続w
予告をみた時にはこんなに笑える話なんて思ってませんでしたw
リスに反応とか故障した変声機のわんこ達もケヴィンも愛おしすぎる!そしてなんといってもダグがもーたまらない。
映画史上に残る問題の戦闘シーンもまさかの飛び道具が出たり。
杖の凡庸性にはもはや感動w
そんな中エリーの「素晴らしい旅をありがとう。新しい旅を楽しんでね」にはもう涙が止まらなくなりました。
その一文でエリーいい妻でカールがいい夫で本当に愛しあっていることが伝わる素敵な言葉。
そして執着を捨てきれなかった妻と生きた証である落ちゆく家を見つめながら、すべてを受け止め乗り越えるカール。
かっこよかったです。
滝の前にイスが並んで着地するなんていうできすぎたオチにもただただうれしくなるばかり。
愛に満ちた新しい旅の仲間とのラスシーンには本当に胸がいっぱいになりました。
ほとんど満点なのですが
実はメインのラッセルになかなか感情移入できなかったこと(それでも最後には愛おしく感じてましたw)と、
憧れの人がダークサイドに堕ちて敵になる(しかも少し同情できる)という展開がすっきりしなかったのが残念。
やっぱりディズニー系を観る時は安心の勧善懲悪を求めてしまいますw
でもでもやっぱり良かった!!w
一緒に人生を謳歌したい人と観て欲しいです。