劇場公開日 2009年12月5日

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「愛情あふれる最高のホラ話」カールじいさんの空飛ぶ家 senden_daddyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛情あふれる最高のホラ話

2020年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幼き日のカールじいさんと、その妻となったエリーの幼き日を描いた冒頭の10数分のシークエンスがまず素晴らしい。陳腐な言い方だけど、まさに掴みはOKってやつ。あれは、ピクサーの製作陣の『カールじいさんのキャラクターをとにかく丁寧に描きますよ』という決意表明でもあると思う。

そもそも風船の力だけでアメリカから南アフリカの秘境まで飛べるわけもない(?)のだが、キャラクターに対して愛情を注ぎ、丁寧に描いているからこそ、その夢物語に対して観客は感情移入をせざるを得ないのが見事。

また、高齢のおじいさんがあれだけの冒険をできるはずもないだろう、と、うがった見方をしてみたくもなるが、ピクサーの製作陣はアニメでしか描けない手法を駆使して、その夢物語を最高のホラ話に仕上げている。そういう意味で、本作は、映画を成功させる上で、いかに魅力的な主人公を登場させることが重要かを改めて訴えている。全ての映画好きにオススメしたい1本だ。

senden_daddy