「優しい気持ちになる。」かいじゅうたちのいるところ L’argentさんの映画レビュー(感想・評価)
優しい気持ちになる。
3Dの「アバター」に代表される様に今ではCG、VFXを駆使した作品が席巻する勢いの映画界にあって、敢えて着ぐるみで挑戦、製作された本作。
原作が絵本だからと「子ども向けかぁ…」と侮ってはいけない。
登場するかいじゅうたちは、人間の姿をしていないだけで心は人間そのものなのだ。
嬉しい、楽しい、辛い、虚しい、悲しい、嫉妬する、泣く etc…。
とても表情、感受性が豊かでその瞳には憂いを湛えており、傷つきやすいピュアな心を持っている。
そう、まるで幼児のように。
今の現代人が失った(?)例えば「仲間を信じる心」を、デジタルに頼らずに伝えようとするその製作者側の姿勢には真っ直ぐにこちら側に訴えかけて来るものがある。
何よりも、かいじゅうたちの澄んだ心を写すつぶらな瞳に気持ちが揺れた。
作品の中の音楽にも癒される。
決して邪魔にならず、時にテンボよく、時に楽しく、時に優しく、悲しくも非常に心地良かった。
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