劇場公開日 2008年10月11日

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「頻繁に笑ってしまいました。本気でアクションをやっていながら、笑いも取るという点では、今までにないスパイアクションだと思います。」ゲット スマート 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0頻繁に笑ってしまいました。本気でアクションをやっていながら、笑いも取るという点では、今までにないスパイアクションだと思います。

2008年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

★★★★☆
 ジェームス・ボンドも、ジェイソン・ホーンも押しのける絶体絶命シーン満載の本格スパイ・アクション映画でした・・・が(^^ゞ
 何ともはや、間抜けでドジなシーンが多くて、頻繁に笑ってしまいました。本気でアクションをやっていながら、笑いも取るという点では、今までにないスパイアクションだと思います。
 中盤からは息をのむノンストップ・アクション展開で、観客を飽きさせません。今までスパイ映画に関心がなかった人でも、楽しまさせてくれるサービス度満点の作品でしょう。
 けれども主人公のマックスウェル・スマートは、スパイ映画の主人公にしては、とぼけてつかみ所のないキャラクターです。彼は自称東洋武術をマスターしたことを言う割には、パートナーの女性エージェント99にもあっさり負けてしまうなど、よわっちいのです。たまたまこの日の試写会の予告編が007の新作だったから、ジェームス・ボンドとは好対照でした。
 そんなスマートでも、敵と遭遇したらちゃんと決めてしまうのですから、ホントのところは強いのか、弱いのか分かりません。
 スマートのキャラで面白いのは、完璧主義です。分析官として分析能力高さは分かりますが、何とも報告が細かすぎておかしかったです。現場に出してもらえなかったのも、彼のコミュニケーション能力が疑問視されていたのではないでしょうか。
 そんな彼にチャンスを与えるためにストーリーは、コントロール本部が攻撃されて、エージェントの情報を流出した設定を生み出しました。余りにあっけなく攻撃されてしまうのが不自然な感じがしましたね。

 但し、そこから始まるスマートの活躍は、確かに他のスパイ映画を上回るスケールのシーンも多く魅せられました。ラストの列車クラッシュのシーンでは、敵役との格闘を演じたあげく、数キロも列車に引きずられる横断幕にしがみつくところは迫力出ていましたね。
 その反面。警備のレーザー光線に当たってしまって、次々服が焼けていくところ、爆発したビルが電線をロープ代わりに隣のビルに飛び込もうとしたとき、しっかり壁に当たり、もう駄目だと観念したら、地面に足が届く高さだったなんてところでもしっかり笑わせてもらえました。

 ドラマとしても当初喧嘩ばかりしていたエージェント99とスマート。絶対に和解などあり得ない仲に見せておいて、数々の危機を共に超えていくなかで、次第に信頼し合い、恋が芽生えていくところがよかったです。
 アン・ハンサウェイが演じるエージェント99は本作でもお色気をたっぷり見せつけてくれました。

 小地蔵は、プロレスマニアですが、元WWEのスーパースターロック様もドウェイン・ジョンソンと芸名を変えて出演しています。彼のエージェント23としての出番としては少々少なめでもったいないなと思いました。むしろ敵役のボディカードでスマートと絡ませた方がよかったかもしれません。

 さらにTVシリース『HEROES/ヒーローズ』の“ヤッター!”マシ・オカも出演しています。マシ・オカは、スティーブ・カレルの大ファンで、他の大作のオファーを断ってまで、本作の出演を受けたのだそうです。彼の演じるコントロール本部内で秘密兵器の開発担当という役回りは、彼の経歴のイメージもあり当たり役で、次々出る新兵器(なかにはへぼいものもあったけど)で楽しまさせてくれました。

 24シリーズに比べて、核兵器のクライシスは、割とあっさりしたものでした。もう少し、敵役に執念深さがあって、何度も波状攻撃を仕掛けるものがあってもいいかなとは思いましたね。

流山の小地蔵