「パンデミックの原因は魔人・加藤保憲だった。」感染列島 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
パンデミックの原因は魔人・加藤保憲だった。
折しも今日1月17日のニュースで「今冬流行しているAソ連型インフルエンザの大半がタミフル耐性となっている」と報じられていた。厚生労働省は「過剰に不安になる必要はない」としているが、この映画のタイミングが良すぎるぞ。
最近、なぜだか日本の映画、TVドラマでよく扱われるようになった感染モノ。SARSや鳥インフルエンザなどの報道によって、ウイルスに対する危機管理を啓蒙することはいいのですが、『L Change the World』だとか『ブラッディ・マンデイ』、そして『20世紀少年』といったコミックから生まれた作品に代表されるようにテロによる細菌感染ばかりだった。それらに比べると、この『感染列島』は自然発生的で荒唐無稽な内容ではなく、十分に起こりうるディザスタームービーとなっています。
悪く言うとドラマ性よりもシミュレーション的な要素が大きいのですが、VFXばりばりの海外作品のような大味な映像ではなく、医療体制を中心に日本の現状をつきつけられる社会派作品ともとれる映画でした。特に、野戦病院と化した集中治療室における救命救急医の医師の倫理だとか、ワクチンや抗ウイルス剤の備蓄問題、それに厚生労働省、WHOの対応など、考えさせる部分がいっぱいです。細かなところでは、養鶏所経営者に対する世間の目なんてのもありました。
ヒーローが現れて解決!といった従来のパンデミック作品とは違い、じわじわと拡大する惨状は止むことを知らない。未知のウイルス感染症とたたかう医師たち、そして最初の患者からルーツを探る医師たち。「明日地球が滅びようとも 君は今日リンゴの木を植える」という言葉で、諦めずに前向きに生きていく姿に勇気をもらいました。
妻夫木聡と池脇千鶴のやりとりで『ジョゼと虎と魚たち』を思い出し、エンディングのテロップに“動物には気を遣った”と書かれていたので、それがコウモリと鶏とエビたちだったんだと気づきました(うそです)。パニック映画といえばオールスターキャスト!佐藤浩市を簡単に死なせたりと贅沢な使い方だったりするのですが、むしろ若手やお笑いが目立ってました。予想外のキャラ、ダンテ・カーヴァーが出るのなら、上戸彩とか樋口可南子も出演させろ!
血清を注射するってのは『ブラックジャック』ですよね・・・
杏さんの弾き語り、泣けますよね。んで、なんか、コードを確かめながらの演奏も、グッと来るんです。特に、スポーツ選手が、もともと日本代表とかあって、日本のためにとかメッセージを出してるんだと思うんですけど、誰か、言ってあげてって思います。