「何とも惜しい」ラスト・ブラッド Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
何とも惜しい
仄暗い背景で、雨の中の戦いは最高に格好良い。この通りアクションについての描き方に関しては問題が無いのだが、問題はその内容にある。日本が原作の物語だが、香港とフランス合作という事で、その利点と汚点が綺麗なまでに露骨に現れているのである。両国ではドッカンドッカンウケるのかも知れないが、我々日本人には受け入れられる様な物が無いだろう。かろうじて日本人キャストで小雪が出ている事が唯一の話題であり、日本でも報道された位である。
91分という短い本編だが、アクションに下手に力を入れ過ぎたせいなのか、ストーリー展開が異様に退屈である。ある程度の筋道は立ててくれるが、結局はアクションシーンの「つなぎ」程度の物でしかない。原作を見ていればある程度の情報があると思うが、全くの無知で鑑賞すると中々ストーリーが入ってこず、置いてけぼりになる。ただでさえ取っ付きにくいジャンルなのにそんなストーリーではより観る気が滅入ってしまうではないか。また、本作のもう1つの致命的な欠点は、想像以上のB級という事だ。人が化け物に変身するシーンは思わず失笑してしまった。何故なら日本の戦隊ヒーローの変身シーンに毛が生えた程度のものだったからだ。派手なCGを利用しない戦闘シーンの完成度が高いだけに、その滑稽ともとれる完成度にはガッカリだった。ユーロスタイルとアジアアクションを組み合わせるとこんな突然変異が起きてしまうのか。非常に勿体ない。
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