ブラインドネスのレビュー・感想・評価
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こだわり
予告編とかで流れていた感じがサスペンス風だったので観る前までの頭の中に入っていたイメージとは少し違うサスペンスではなくある意味のパニック作品だった。
しかし怖い。自分ならどうするとかを考えさせてくれる怖さ。眼が見える有り難さを痛感した。
何故、そうなったかを全く無視し主人公達の今ある現実だけに焦点を置き、世界的に蔓延してるのかをあえて入れないとこに別の意味で好感もてた。
しかし、途中ダラダラシーンやこのシーンいらないだろのとこありで完成度を下げているのが残念。
この作品で私個人評価を上げるのは細部にこだわった点。この作品に日本人2人出ているが、今までとは違うのは日本人同士だと日本語で話しているとこ。当たり前なんだが今までの作品にはあまり見られなかっただけにより良く感じた。びっくりした時、パニックになった時にまず出るのは英語じゃなく日本語にしてる点。当たり前だがそこをちゃんと抑えてるとこは感心した。
こういう作品を観ると今健康で暮らせていることに感謝したい。
微妙ではあるけれど
紛うことなき不世出の大傑作「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスの新作は、ノーベル賞を受賞したポルトガルの巨匠、ジョゼ・サラマーゴの「白の闇」の映画化。
「かなり実験的な映画だなぁ」というのが第一印象だったけど、「もし、目が見えなくなったら」という恐怖は、観客誰もが共感できる題材だろう。そのパニック描写も、とても怖い。そういう意味では、十二分に見応えがある。
ただ、いかんせんストーリーが重過ぎるし、日本から参加してる伊勢谷友介と木村佳乃があまりに大根で愕然とする。特に伊勢谷。。せめてもう少しましな演技を見せていれば、作品から受ける印象もだいぶ違った気がするので、何とも残念。
と、ここまでけなしてきたけど、次回作はシェイクスピアのコメディを撮るというメイレレスが次のステップに進む段階で撮った作品なので、目撃しておく価値は多分にあると思う。
フィクションの「極限」は薄っぺらい。
極限状況を設定して醜い人間の本性を描くとか、あぁそうですか。醜さとリアリティは違うと思いますがねぇ。
閉じた世界が炎上して終わるかと思いきや、話はそれで終わらず外に出る。外に出るんですけど、そこに描かれる世界観はあまりに戯画的。
たかがコーヒーを入れるシーンに執拗なカメラワークを使うあたりはいかにも「お芸術系」っぽいなぁと反吐が出たんですが、しかしコーヒーはラストに生かされるので良しとします。
ラストの投げっ放しジャーマンは伊藤潤二的。
なんじゃこりゃ
『シティ・オブ・ゴッド』にノックアウトされた身としては,メイレレス監督+豪華なキャスト陣で,すごく期待してたんですが,鑑賞してみると,中盤以降ずっと口あんぐりで,最後はもうあきれながら見終えました.あまりの「ありえね~」ぶりに,もう笑うしかなかったです.
失敗の責任者であるメイレレスを養護するつもりは毛頭ないですが,あえて最大の敗因を探すとすれば,やっぱりこの話は映画には向いてなかったのですね.
原作で味わったヒリヒリするような緊迫感は,「白の世界」を巧みに描写した活字の力によってもたらされていたのであって,映像化された隔離病棟にはスリルを感じませんでした.
病院という閉じた空間内での群像劇,という点を評価する人もいらっしゃるでしょうが,はっきり言ってステレオタイプで新鮮味はなかったです.人格者がリーダーとなる一方で,そこに実力主義の対抗勢力が出てくるという構図は,過去の映画でも使い古されているし,そこに物欲・セックスが絡んでくるというのも凡庸.人種・性別・年齢・職業と,バランスが取れすぎた患者構成こそ,むしろ不自然でした.
集団心理による狂気ドラマなら,『es』の方がよっぽどリアルです(『es』はそもそも実話に基づいているからとも言えますが)
突っ込みどころを列挙するなら,覚えているだけでも,
・妻だけが最後まで感染しなかったのはなぜ?
・女性に蹴られたくらいで,ケガの程度がひどすぎだろ~
・いくら危険な感染症とはいえ,国(軍?)があんな不潔な場所に
感染者だけを閉じこめ,あとは食料放り投げるだけ,なんて非現実的
・ガエル・ガルシア・ベルナルの実力がまったく発揮されていない
・不貞をはたらいた前後で夫婦の心理の機微描写が希薄.しかも,
レイプ候補として妻に立候補してほしい口ぶり.許せるか普通~?
・なぜ火事の時に,都合よく護衛の人間がいなかったのか?
もし彼らも感染したのだとしたら,なぜ死体すらなかったのか?
・スーパーの地下にはあれだけ食料があったのだから分けてやれよ~
・何で伊勢谷友介だけ回復したの? 偶然?
最後に,本作(映画版)の一番の不満は,「白の世界」が人為的に引き起こされたものなのか否かが,微妙にスルーされていること.
たとえば,教会のステンドグラスに目隠しをする行為は,絶対に健常者(=非感染者)しかできないハズですよね.この件を含め,途中で伏線になりそうなポイントはいくつも登場したのに,結局最後まで観客をほったらかし.『LOST』じゃないんだから・・・
『フォーガットン』といい本作といい,どの作品にも変わらず全力投球のジュリアン・ムーアの役者魂には頭が下がりますが,いい加減仕事を選んでほしいです.最後のどうでも良いシャワーシーンであんな露出しなくても・・・
いっそのことラジオドラマにしてしまえば,原作の良さを活かしつつ,きっと視覚障碍の方々にも喜んでもらえたんじゃないかなあ,と思っちゃいました.
個人的には,『ミスト』を超える2008年のトンデモ大賞に決まりです.
原因不明という恐怖。
日本を含め、各国から錚々たる顔ぶれのキャスト陣…!
これだけの人数、どのくらい盛り上がる映画なんだ!?
と期待するものの、とてもブラインドネスな作品だった^^;
やたらと…白い。(爆)のは仕方ないとしても、
けっこうお国柄的なものなのか(汗)肉欲的な趣向が強く、
いくら♂と♀しかいないからといって、そんな展開になるか?
…という部分も多かったなぁ。日本人としては。。
やたら金儲けにあくせくするガエルにも、やや違和感。。
突然の流行り目?原因不明の失明が次々と感染し、
ついに政府もお役御免。とばかりに患者を隔離し始める。
収容施設に押し込められ、食事も薬も満足に与えられず、
患者たちはだんだんと精神を病んでいくのだが、、。
そんな彼らの☆女神☆として君臨するのがJ・ムーア。
なぜか彼女にだけはその白い病が感染せず、失明しない。
なもんで、みんなが彼女に頼る。(最初は他人には内緒)
もし彼女がいなければ、もっと酷いことになってただろう、
あの汚い肥溜めのような施設内部。。何だかもうこの辺り、
白いのを見にきたんだか、汚物を見にきたんだか分からんx
そんな状態だった。空気までが澱んで見えていたし…。
どうせなら汚物にブラインドかけて欲しいくらいだった(=_=)
まぁでも確かにあんなことになれば…つまりそうなるのだ。
リアルな描き方は、ある意味奇想事実を突きつけている。
結局のところ、
病の原因は何?とか、失明しない女性から血清をとるとか、
そういう原因究明&レスキュー作品ではなかった^^;
人間の強欲に満ちた支配意識、弱者に生まれる連帯意識、
窮場をしのぐ最も偉大な力は…じっと耐えることだったのだ。
☆女神☆ムーアはそれを実践している。
それが流行り病なら、いずれ治まる時がくるということか。
それまでじっと現状を維持しつつ、身を守りなさいなのか。
鳥インフルエンザなる脅威にさらされている私達にとって、
絵空事とは思えない恐怖が意識下に生まれてくる作品だ。
(やっぱりコーヒーは香りと、色合いも味わいたいもんねぇ)
踏み絵になって欲しくない
映像、カメラワーク、テンポはもちろんのこと、人間の醜い極限のところ、悲惨な状況、権力とそれに従わざるを得ない状態、その沸点を越えたときのパワー、目に見えないところにある美しさ、目に見えないところにある人間の絆と関係、たくさんの極地にあるものを『シティ・オブ・ゴッド』でスラムのカオスとリアリティを見事に描ききったメイレレスが、またしても見事に描ききりました。
突然、映る景色が真っ白の光に覆われて目が見えなくなる、という伝染病が原因の映画ですが、原因についての怖さではなく、極限の状況に追い込まれたときの人間、そしてそれを乗り越えてその先にあるものまで、メイレレスは明確に描いています。
たまたま目が見えなくならなかった独りの人間への負担、忍耐、孤独、責任感、願い、希望を強烈に突きつけながら。
それはクドクドと説明してくるものではなく、一つ一つのシーンから感じさせ、考えさせてきます。
ときには果てしなくえげつない悲惨なシーンだったり、ときにはとんでもなく美しく高尚なシーンで。
確かに悲惨なシーンはかなり壮絶で怒りすら感じざるをえません。
だけど人間として、他人事ではないというか、決して作られた悲惨さではなく、似たような状況って、歴史の上でも、今世界のどこかでも、そして未来でも、人間が起こしてきたことだったり、起こる可能性が無いとはいい切れないものだとも思います。
でも、ラジオから奏でられる音楽を聞く人々姿、街をお互い頼りながら歩く中聴くピアノの音色があまりに眩しくて。
これでもかというくらい重厚なシーンを見せてきたのに笑いを観客に起こさせる余裕もあって。
あの素晴らしく希望溢れる、美しいラストに繋がって・・・。
文句なしの満点です。
設定はいいけど、ちとやりすぎ!?^^;
謎のウィルスによって、突然!街中の人達の目が見えなくなってしまう。
見えるのはたった一人だけ。
これって、設定は凄いなぁ~と始めは興奮して観てました^^♪
・・・がっ!!!
見えないもんだからしまいにゃっ、やりたい放題し放題。
隔離生活のシーンを観続けていたら、何だか私、途中から思いっきり引いてしまいました(;一_一)
実際、もしも謎のウィルスに侵されたとしたら、
被害拡大予防策として、政府が感染者を隔離するのは当然のことだろ~し、
感染者の面倒まで手が回らないから食糧難になるのは解るけど、
映画だから、そこまでひどく描いて欲しくはなかったなぁ~(泣)
色んな意味で怖い映画ですね^^;
11月26日MOVIX伊勢崎にて観賞
人間とはもろいもの
盲目になった人たちのとる行動は結局は暴力や女でごまかそうとするのとか・・・。
観ている途中で気分が悪くなりました。
うーん、伊勢谷くんの話し方がいまいちでしたね。
目が見えるって素晴らしい事
目が見えないって本当に怖いなって思いました。
ただ、それよりも窮地に追い込まれた人間の行動が恐ろしいって思いました。
目が見えないという感染が今後来るかどうかは分からないけど、食糧危機とかはあるかもしれない。そんな時、人間って怖いのかな。
平和だからこそ、人間の悪の部分が表に出てないだけなのかなって。
人間の悪って、怖い...
極限時には男性よりも女性が強いのかもしれません・・・
18日新宿明治安田ホールにて試写会。フェルナンド・メイレレス監督の作品は毎度の事ながら難解です。ハッピーエンドも、すっきり爽快的なラストもありません。本作も、全世界が盲目になるのですが、理由は何も明らかにされません。最初は盲目になったものが隔離され、見える者と見えない者に分けられます。
しかし、今度は弱者である者たちらが協力し合うのではなく、そこでも持つ物と持たない者、与える者と与えられる者・・・のように、助け合うのではなく、差別を行い、自らを階級付けしていくのです。その中で彼らは食欲と性欲、欲望を極限に求め合い、聖書に言う7つの大罪をひたすら犯していきます。
誰もが自由で平等・・・これは正に絵空事なのでしょう。共産主義が何故崩壊したのか、なんとなく分かった気がしました・・・。
人間の尊厳を考えさせられます。
伊勢谷友介と木村佳乃が出演して話題にもなった映画。突然、視野が真っ白になってしまい失明してしまう伝染性の奇病。感染間は瞬く間に広がっていくが、有効な対策は無く、感染者は、不衛生で危険な環境の収容所に閉じ込められる。多数の失明者を収容した収容所は次第に秩序を無くして行くが、その中に、一人だけ、目が見える人間が紛れていた。
この映画のテーマは、何なんでしょう? 目が見えないと言う現実の前に無力を感じる者、権力欲を剥き出しにして、人々を虐げて君臨しようとするもの。そして、その目が見えない人々を人間として扱わない看守たち。そう言う環境の中でも、収容者たちは助け合って生きていかなければならない。人間の尊厳って、何なんでしょうね? 考えさせられてしまいます。
この手の映画で日本人が出ても端役の場合が多いですが、この映画では違います。製作国の一つに日本も入っているからだとは思いますが、最初の失明者が伊勢谷友介だったりと、結構重要な役を与えられています。日本語のセリフにも、日本語字幕が付けられていますが、これは、聴覚障がい者のための配慮でしょうか?
物語後半の市街地のシーンは、うち捨てられた雰囲気満載ですが、ブラジル・サンパウロとウルグアイ・モンテビデオで撮影されているそうです。近代的な街なのに、汚れきっていて、無法地帯的な雰囲気が十二分にかもし出されています。
最後がどうなって終わるかはしるしませんが、「えーっ!」と言う感じがしないでもありません。この映画は、その結末を楽しむというより、結末に至るまでの過程を考えると言うのが、正しい鑑賞の仕方なのかもしれません。
パニック映画ではありません 今年最悪の映画
極限状態における人間の本性。
そんなもの、あえてフィクションの映画を作らなくても歴史が語っている。
PG-12ですが予告やフライヤーからは想像の出来ないレベルの乱暴なシーンが含まれるので、せめてR-18にして欲しい。
オチもひどすぎるし、観てしまったこと・途中で席を立たなかった自分を恨んでしまった映画でした。
白い闇
素晴らしい作品でした。
単なるパニックムービーではなく、きちんと伝えたい哲学が“見える”作品。
謎や、解らない事が多々残る作品ですが、
最近饒舌な作品が多い中でこういった完結の仕方はとても綺麗です。
ラストシーンの美しさで全てが許せるというか…、
闇が晴れた様な気がしました。
物語は突然はじまり、観るものを惹き付けます。
しかも、伊勢谷友介からはじまるので日本人は入りやすいかも。
中盤、過酷すぎる描写があるけれど、極限を描きたかった為だと解釈。
カメラの撮り方も盲目・白い闇を意識した巧い使い方でした。
ただ白背景がよく出てくる中で、白文字の字幕はちょっと辛かった。
何もかも饒舌に説明をしてくれなければ気が済まない人には不親切な作品かもしれない。
しかし、とてもクールで美しい、映画らしい映画だと思う。
興味のある方はぜひ。
それは神が与えたもうた啓示なのか
見る前は最近多いパニックものかと
あまり期待せずに会場へ向いました。
ところが、とても大きなテーマを持った作品で、
うなずけるものの、しかし身につまされるものでもありました。
はじまりは唐突、
突然失明する者が続出、彼等は隔離されてしまいます。
その病はまん延し、拡大の一途をたどり隔離されるものが
どんどん増えていきます。
その隔離された者の中に
夫の身を案じた、
唯一目が見える医者の妻が紛れ込んだのです。
隔離された世界ではいつしか弱肉強食の社会が出来、
ならず者が銃を武器に理不尽な世界を作り出されます。
(この辺の描写がとても重いのです。
現代社会の縮図を提起しているようで。
このシーンを見た方は、どうしようもない憤りを感じるでしょう。)
失明という病は更に蔓延し、
閉ざされた世界は無管理状態になり、
ついには崩壊し、
彼らは外界へ出る事が出来るようになったものの、
世界は一変していて、
生きることで精一杯の人達だらけになりはてていました。
この世界は、これから一体どうなるのか?
真の狙いは、
それを一緒に考えてみましょう、
というテーマだと思いました。
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