「なにが言いたかったの?」ブラインドネス ちかしさんの映画レビュー(感想・評価)
なにが言いたかったの?
もう少しパニック要素を期待していたのだけれど、終始スローテンポで長かったでです。
何を言いたかったのか、それがいまいち伝わってこなかった。もちろん、終盤でパウロに関してあからさまな聖書への言及があり、それが主題に関わってくるのであろうことはわかります。正直聖書を読んだことがあれば結末でさえすぐにわかります。テーマは「見えなくなって初めて見えるもの」、パニック映画にはありがちですが、人々は上っ面の善意を捨てて自分のためだけに生きていきます。そこで問われる真価、見えなくなって気付くこと。でも、結局なんだったの?って感じになりました。最後まで観ると、結局なにも起こらなかったように思えて仕方がない。最後の台詞はかなり含意に富んでいますが。
ただただ暗い収容施設でのシーンもいまいち。残酷なコミュニティを演出したかったのだろうけど、ひとつひとつの要素はどのパニック映画にもある月並みなもので、女性が身体を要求されるのもなんだか女性たちの葛藤がなかったので辛さが伝わってこず。なによりひとり目が見える妻があまりにも異常な有徳者。そこでリアリティがゼロに。そして妻はひとりだけ目が見えるくせにやけに頭が悪いんですよね。いちいち行動に突っ込みどころが。
第三病棟の王誰かと思ったら「恋愛睡眠のすすめ」の岡田准一くんじゃないですか。
大臣はどこにいたのだろう笑 やっぱりお偉いさんは別の施設にいたのかな。
名前がないという仕掛けもいまいち活きてなかった気がして、原作を読んでみないと駄目だなと思う映画でした。
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