「ブラックサイト」ブラックサイト rasenさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラックサイト
ネット犯罪を扱った作品はいくつかあったが、この作品はこれまでにない鋭い視点で問題提起がなされている。それは犯人の犯行に至る動機や手のこんだ犯行手段にも深く関連させてあって、犯人像には説得力があり今日性も高い。サイトへアクセスすることが人を殺すと分かっても、人はアクセスをやめられないだろうという苦い認識を高品質なエンターテインメントに変えた技ありの脚本だ。
ジェニファーの日常生活をきめ細かく追いながらキャラクターがしっかり描けていて、意気軒昂だが疲れ気味なジェニファーを演じたダイアン・レインがとても魅力的だ。ポートランドという街をちょっと陰鬱な雰囲気に描写したシャープな映像と、序盤からいかにもなムードで流れる音楽が様式美に則って文句なしに良い。ダイアン・レイン以外あまり見慣れた顔のないキャスティングはB級感もあるが、むしろリアリティーを盛上げる効果の方が高い。何処をとってもそれくらい仕上がりがよく、ネットジャンキーには身に染みる面白さ抜群の秀作。
コメントする