「タイトルなし」ラースと、その彼女 時村さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
「ジョーカー」を見たときに感じた違和感、それは「精神病罹患をモンスターになる理由のひとつとして描いても良いのだろうか」ということだった。
ラースの行動や態度はいくらでも病名がつけられるものと思う。しかし理解ある家族・親族と成熟したコミュニティにサポートされることで彼の異常行動は通過儀礼として昇華されていった。
特に自分を責める兄と、恵まれた環境に文句をつけることに怒った兄嫁を見てラースも自分なりに何かを感じてるようだった。
彼なりに苦しんでいるのだろうが、ラースはあまり泣いたり怒ったりしないのでそのあたりの苦しみや悩みや決意みたいなのがわかりやすくは出ないのだが、行動の変化によって少しずつ彼が前に進もうとしているのが感じられて静かな感動があった。
そのあたりの展開が前述のジョーカーとは対照的に見える。
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