「実写やで!」カムイ外伝 mori2さんの映画レビュー(感想・評価)
実写やで!
その昔、吾輩がまだ幼少のころ、10ch(読売テレビ・関西の日テレ系列)の平日夕方6時ってのは“子供の時間”でございまして、いろんなアニメや特撮の再放送(特に男の子向け)が、オンエアされていました(旧「ドラえもん」や「超人バロム・1」、「侍ジャイアンツ」「サンダーマスク」etc,etc…)。吾輩も大好きで、ほぼ毎日のように見ておりましたが、ラインナップの中で、たまに「サスケ」や「忍風カムイ外伝」が放送されたのですが、吾輩極力見ないようにしていました。だって、『暗かったんやモン(^^;!』(だって主題歌が『♪~ひ~とり~ひ~とり~カムイ~♪』やで!)幼心に、自然と拒否していたようです(でも当時同年代で、訳も分からず『渋い!』と言ってた連中もいました(^^;)。そんな白土 三平原作の劇画の映画化。吾輩、幼少のころの“食わず嫌い”を克服することが出来たでしょうか?
“監督・崔洋一”と聞いた時には、『こりゃ、難しそうな映画なのかな~?』と思ったのですが、“脚本・宮藤官九郎”と聞いて、『エライ組み合わせやな~(^^;でも、楽しそうじゃないか!』と思い直し、一体どっちに振った映画に作られてるかなあと思いながら観てたのですが…、結構重かったです。ストーリーがイキナリ始まるモンですから、前半やたらと説明が多い!ナレーションの山崎 努が喋る、喋る!これが後半になると、殆んど喋らず(^^;!極端な映画やなあ。設定を説明しないとわかりませんから、仕方ないんですけどね。まあ、話が話ですから明るくなる訳はないのですが、クドカン脚本としては、これは異色作の部類に入るのではないでしょうか?それから“痛い”映像(馬が痛そう!伊藤 英明メチャクチャ痛そう!)も結構ございまして、吾輩スクリーン観ながら、拳握って固まってました。この手の映像が苦手な方は、ご注意を。
で、前述したとおり吾輩はTVアニメ未見で、原作も未読なんですが、原作ファンの方からすると、この映画化は如何なモンなんでしょうか?待望の?それともやめてくれ?(^^;。まあ、とにかく真実は映画館でご確認ください。
松ケン君は、頑張ってますね。小雪の忍者(くの一)ってのは…どうなんでしょ?吾輩はイマイチ、ピンときませんでした。ただこの役は当初、菊池 凛子が演じる予定(撮影中の怪我で降板)だったそうですね。まあ、そっちよりはよかったのかなあ?とは思いますが(この共演がきっかけで、主役の2人が付き合いだしたってのは、笑い話の類ですね)。佐藤浩市さんは、限りなく“バカ殿”になりきっています(一緒に観た知人は、最後まであの“バカ殿”が誰かわからなかったらしい…何でやねん?!)し、土屋アンナや芦名 星が、ビックリするほどショボイ役を演じています。コレってどうなんでしょうね?贅沢と言えば贅沢なキャスティングですが、吾輩は何か勿体ないような気がしました。もっと出し様があっただろうに…って、感じで。あと、忍者の戦いのシーンも、ちょっとワイヤーやCGを使い過ぎなんじゃないか?と感じました。観ていて面白いとは思いますが、少々違和感が…。
昔から、この手の物語(組織から抜けた者が、追われる)を見たり読んだりする度に、吾輩は素朴な疑問を抱いていたのですが、『抜けた奴1人追っかけるのに、どんだけの人手を割いてるねんな?そんな大層なことやってる間に、本拠が攻められたり、万一のことがあったら対処できるのか?そっちの方が大事ちゃうのん?!』ええ、今回も思っちゃいましたね。抜忍1人に、何と手の込んだ仕掛けを…。そこまでやらいでも…っていうか、そこまでやらなイカンものなのかね?“掟”ってのは、絶大なんですね。