劇場公開日 2008年9月13日

「これは多くの人に見てほしい一本」パコと魔法の絵本 antさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これは多くの人に見てほしい一本

2008年9月6日

笑える

楽しい

幸せ

「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督最新作。予告では日本版「チャーリーとチョコレート工場」という感じだが実際には少し違う。「下妻」は面白かったが「松子」はイマイチ(世間で言われるほどに中谷美紀がいいとは思わなかった)と感じていた人間にとっては当り。

誰かすぐには分からないほどにメイクをしている役所広司・妻夫木聡・上川隆也。コスプレ系の土屋アンナ・小池栄子・國村隼・山内圭哉、別次元の阿部サダヲ。といった具合にキャスティングと演技はユニーク。阿部のキレっぷりは予想通りだが妻夫木と上川も負けていない。妻夫木の役などは小さい子供が見るとトラウマになりそうだが、子供に死の概念をそっと教えるような映画があってもいい。土屋アンナの存在もちょっときついかなと思ったが最後に効いてくる。タイトル・ロールの少女はアヤカ・ウィルソン、うまいというよりはカワイイ存在感で勝負だが、この映画の場合はそれでいいし、妻夫木が演じている役とも呼応している。

最後の劇中劇はCGアニメとの融合。ここはCGを適切で、必然性のあるな使い方をしていて物語にもうまく入り込める。中島監督らしいコネタはガンダムやジュディ・オングとあるが分からなくてもあまり気にならないと思う。もちろんその以外の笑い要素はてんこ盛りだし、それでいながら最後にホロりきてもおかしくない。すべての人におすすめ。

ant