劇場公開日 2008年1月19日

「史実に基づく、興味深い人間ドラマだ。」ヒトラーの贋札 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0史実に基づく、興味深い人間ドラマだ。

2024年11月3日
PCから投稿

国家による史上最大規模の通貨偽造事件でもある、ナチス・ドイツの「ベルンハルト作戦」を描いた歴史ドラマ。実際に贋札を作ってきた、ユダヤ人収容者たちを描いている。

虐殺を恐れて贋札づくりに協力し、看守からの侮辱に耐えつつ、一定の環境を保証された専用の収容所を舞台に、銀行家から政治活動家まで、さまざまな経歴を持つユダヤ人の葛藤を描く。

史実に基づく衝撃的な話だが、殊更に善悪を強調せず、落ち着いたトーンの上質な人間ドラマだ。そのぶんだけ、中だるみを感じたり、物足りなさを感じた人もいると思う。

ナチスへの協力と生き残ることの間で、ユダヤ人収容者の間でも、心が揺れ動く。自らの技能を犯罪に使うことでしか生き延びられなかった人々の葛藤を取り上げた、実に興味深い歴史ドラマだ。

瀬戸口仁
NOBUさんのコメント
2024年11月3日

瀬戸口様
 ご丁寧に有難うございます。
 こちらこそよろしくお願いいたします。では。

NOBU
KEIさんのコメント
2024年11月3日

共感、及びご丁寧にコメント・フォロー頂き有難うございました!今後とも宜しくお願い致します。人々の心の葛藤が上手く描かれていたと同感です。

KEI