「動物たちの災難。」アース ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
動物たちの災難。
「ディープ・ブルー」の制作スタッフが再集結し、TVシリーズ
「プラネット・アース」を劇場版に再構成した自然ドキュメンタリー。
日本版のコンダクターを務めるのは、俳優の渡辺謙でした。
こういう自然ドキュメンタリーが年に一回は公開されますね。
昨年から今年にかけて、さらに増えてきそうな気がします。
やはり「地球温暖化」に対する関心が高まってきたから?
今作もホッキョクグマ絶滅への危惧で締めくくられています。
私はあんまりNHKの自然シリーズ等を観ていないので^^;
今作をどうのこうのと比べられないんですが、映画でいうなら、
やはり最初の「WATARIDORI」を上回るものには出逢えません。
こういうドキュメンタリーには、アイドルの微妙なナレーションや
劇画タッチの演出はいらないと思います(今回は良かったですよ)
そういう説明以上に映像自体が雄弁に語ってくれますから。。。
どうやって撮影したんだ!?と思えるほどの接写・近写の数々。
自然や動物が好きだろうと嫌いだろうと、生きとし生けるものの
創生~現在に至るまでを、こんなドラマティックに(でも淡々と)
観られるだけでも、私は儲けものだと思いましたね~。
やれCG・SFXといっても、この迫力に勝るものはないです!
まぁ今回はテーマが地球ですので…駆け足感は否めません^^;
あとかなり、残酷なシーンを控えめにしましたね(子供対応?)
極彩鳥たちの求愛ダンスに笑い、木々の緑や花の開花に魅了され、
動物たちの過酷な生存競争に息をのみ、象や鯨と共に旅をする。
彼らの生活は、餌を食べて生き抜いて、やがて子孫を残すという
ごくごくシンプルなもの、その当たり前に感動してしまいました。
だからもっと、暮らしやすい地球でなければならないはずなのに、
今や誰にとっても(人間だってそのうちに)暮らし辛い世の中に。。
その哀しみは、やれガソリンが高いだの、株価が下がっただの、
そういうレベルでは語れない凄惨さがありました。
象のお尻にかぶりつくライオン、セイウチに挑むホッキョクグマ、
ほとんど餓死寸前の彼らがとる行動なんだそうです。追詰められ。
人間だってこんなに我慢してるんだ。仕方ないだろう?
…そんな風に済ませられることなのかなぁと思ってしまいます。
動植物が絶滅してしまったら人間だっていずれは、そうなる。。
映像もナレーションも、それを声高に叫んではいませんが、
彼らの姿を見て、何も感じない人はきっといないでしょうね…。
(緑がいかに大切かも教えてくれます。我らの酸素供給源!(^^)!)