「スネーク・オイラー、カモン!」スピード・レーサー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
スネーク・オイラー、カモン!
原色だらけの派手なCG満載の予告編によって全く期待もしていなかった今作品。序盤ではスピード・レーサー(名前だとは思わなかった・・・大人を演ずるのはエミール・ハーシュ)の子供時代と現代とが交錯し、オリジナルアニメ『マッハGoGoGo』は幼少期に何度か見ていたのに、混乱状態に陥ってしまいました。だめだこりゃ・・・と序盤ではそう感じた。
しかし、徐々にストーリーを思い出し、覆面レーサーXの正体は何者なのだ?とワクワクさせられたことも思い出したのです。映像は派手だけど、車がオモチャっぽい。そんなことより、ウォシャウスキー兄弟による数々の原作へのリスぺクト、そして日本びいきを感じられることに熱くさせられてくる。登場人物もアニメそっくりにしてあるし、真田広之をヘンテコなヒール扱いしてないし(設定がよくわからないが)、忍者を登場させたり、“ラーメン”という看板があったり・・・
さらに、アニメをリアルタイムで見ていた世代にとっては『マッハGoGoGo』のテーマ曲が全編に流れていることも嬉しいかぎりだったし、エンドロール時に流れる日本語オリジナルには涙が出てしまった(評価点も一気に加速!)・・・もっとも曲の冒頭部分だけで後はリミックスだったので、パチンコに例えると15Rじゃなくて4Rの当たりにしかならなかったといった気分(パチンコは不人気機種だった)。
音楽といえば、エンドクレジットにレーナード・スキナードの「フリーバード」を発見!したのはいいのですが、どこで使われてたのかさっぱりわからずじまい。大好きな曲なのに、映像のスピード感に押されて聴き漏らしてしまったに違いありません。その「フリーバード」といえば、この映画で母親役を演ずるスーザン・サランドンの出演作『エリザベスタウン』でも大事なところで演奏されてたことを思い出します・・・あぁ、やっぱりもう一度観なけりゃいけないのか・・・
“マッハ”というのは英語ではマークと発音される(マックと聞こえた)。マッハ号のボンネットの“M”の字もマクドナルドのロゴマークに似ているのですが、アメリカでは映画と企業タイアップされている(ハッピーセットで車のオモチャがもらえる)にもかかわらず、日本ではナッシング。アメリカではターゲットがキッズで、日本では40歳以上の男性にしか受けないためかもしれないなぁ。
〈2008年7月映画館にて〉