「CGに溺れた残念な映画の典型」地球が静止する日 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
CGに溺れた残念な映画の典型
ロバート・ワイズの「地球の静止する日」が
なかなか良かったので、
比較の意味で数年ぶりに再鑑賞。
しかし、初回時の印象がほとんど
残らなかった理由が解ったような気がした。
この映画では、
異星人が地球を滅ぼしに来た目的を、
環境を破壊する人類から他の生物
を救うためとの、
昨今の時流に乗ったような理由にしたが、
ワイズ版での、核兵器を持った地球人が
宇宙に進出した際の全宇宙の脅威
を取り除くため、
というスケール感からは後退してしまった。
また、異星人が人類抹殺(ワイズ版では
地球消滅)を中止する理由が、
人類のヒューマニズム垣間見に絆されて
というのは御都合主義的に安易で、
ワイズ版での科学者会議の意思を鑑みて
との決断に比べリアリティに欠ける。
監督の力量の差か、総じて、
あたかもCGによる映像を繋ぐために
ストーリー展開しているようにしか見えなく
陳腐な印象の作品だ。
新旧作品の比較以前に、本論を忘れた、
CG技術だけに溺れてしまった残念な作品
と言わざるを得ないだろう。
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