「Gガールと対になるような映画」ハンコック うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
Gガールと対になるような映画
数多くのスーパーヒーローものが製作され、中にはこの映画のような変わり種もちらほらと見られる。言ってみれば、この映画「デッドプール」が大ヒットする以前に作られた俺ちゃんヒーローの顛末記で、ちょっとおかしな方向に話が進んでいく。
彼には、ちょうど同じ能力を持った「かたわれ」がいて、その存在に大きく運命を変えられていくというもので、それはずるいんじゃない?という感想を抱かずにはいられない。さらには、この時期、美のアイコンだったシャーリーズ・セロンを、その対極のキャラクターに持ってきたことにもすごく違和感を覚えた。これがハル・ベリーとかだったらばっちりハマったと思うのに。
もちろんセロンは、肉体改造も厭わないアプローチで映画出演の準備をし、出演作ごとに違うビジュアルを用意できる特異な才能の持ち主で、この映画にもうまくはまっているとは思うが、製作陣のイロケは、もっと違う部分に向けられていたのだろう。彼女のキャラクター自体が作品から浮いてしまっている。
ユマ・サーマンが、「スーパーガール」をパロディにしたような映画「Gガール」に主演し、そのキャラクターはまるで「ハンコック」の対極のようなデザインだった。始めはみんなから愛されるヒーローだったのに、ボーイフレンドが出来て、彼の浮気を疑いだした時から、彼女の特殊能力はそのことだけに集中して使われ、民衆の支持を失うというストーリーで、この映画に対を成しているように対称的だ。
きっと、誰もが「俺にスーパーパワーがあったら、自分の幸せだけのために使うだろうな。それで何が悪いの?」という共感を得たいと思っているのだろう。
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